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俳句の庭

  • 小待宵草

    4月 24th, 2026

    マツヨイグサ属の多年草。同属の他の待宵草に比べて花が小さく、地面を這うように広がるのが特徴。繁殖力が強く、日本各地で野生化している。仲夏から晩夏に、河原や砂地などに黄色い四弁花を咲かせる。夕方に黄色い花を咲かせ、翌朝にはしぼんでしまう。「待宵草」、「大待宵草(おおまつよいぐさ)」とともに「月見草」の傍題。

  • 猩猩蠅(しょうじょうばえ)

    4月 24th, 2026

    ハエ目ショウジョウバエ科に属するハエの総称。体長3ミリくらいの赤褐色の小さなハエで、熟した果実や酒、糠みそなど発酵したものに集まる習性がある。その赤い目とお酒を好む性質から、酒好きの妖怪「猩々(しょうじょう)」に譬えて名づけられた。

  • 廣瀬直人の一句(43)

    4月 24th, 2026

    上げ潮にうねる色ある半夏かな 直人

    「半夏(はんげ)」は七十二候の一つ「半夏生」のこと。夏至から11日目に当たり、太陽暦では7月2日頃。かつては田植の終期とされていた。ドクダミ科の多年草「半夏生草」が生える頃でもある。

    掲句は、岸辺から潮が満ちてくる海原に望んでの作品。潮位を上げながら差してくる潮が見せている「うねる色」は碧瑠璃色だろうか、それとも鈍色がかった暗い色だろうか。いずれにしても、海のもつ巨大なエネルギーを感じさせる表現。折から盛夏に向かおうとする時節であり、作者はその潮の色に圧倒的な自然の力を感じ取っているのだ。この句の場合は、気象用語としての「うねり」にこだわる必要はないだろう。平成20年作。『風の空』以後。

  • 廣瀬直人の一句(42)

    4月 23rd, 2026

    存分の雷鳴北に甲武信嶽 直人

    「雷(かみなり)」は積乱雲の中などで雲と雲、雲と地上の間で放電現象が起きたもの。電光が走った後に雷鳴がとどろく。夏の大気が貯えたエネルギーが、はけ口を求めて迸っているかのような現象。「雷鳴」は「雷」の傍題。

    掲句は雷の轟く中、北に揺るぎなく聳え立っている甲武信嶽(こぶしだけ)を詠む。甲武信嶽は、拳(こぶし)を突き上げたような山容と評され、甲州・武州・信州の境に位置する奥秩父主脈の山。作者は、郷里の北に位置するこの山に、朝夕となく親しんできたのだ。「存分の」の措辞が、夏の最中の自然の底力を思わせる。平成20年作。『風の空』所収。

  • 春の富士

    4月 23rd, 2026

     雪が残る春の富士山。「春の山」の傍題。本格的な雪解(ゆきどけ)がすすむ前であり、桜など春の景色の後ろに、霞をまとって浮び出る富士山である。晩春の頃、山肌に残雪が鳥のような形で見え(雪形)、農作業の開始を告げる。5月になると富士山の雪解けがすすみ、6月になると麓からは雪は見えなくなってくる。「雪解富士(ゆきげふじ)」は夏の季語。

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