父は遠くの畠にありし油蟬 直人
「油蟬(あぶらぜみ)」は日本で最も身近なセミの一つ。夏の暑い盛りに、ジリジリ、ジージと油を揚げているような音で鳴く。「蟬」の傍題。
掲句は、前年に亡くなった父を追想しての作品。現に耳に聞こえている油蟬の声が、健在だった頃の父の面影を誘い出したのだ。と言っても、その父は眼前にいるのではなく、いつも遠い畠で農事に精を出している人として、作者の胸に浮んできた。喧しく鳴きたてる油蟬の声が、父とともに流れた静謐な歳月を呼び戻す。昭和46年作。『帰路』所収。
父は遠くの畠にありし油蟬 直人
「油蟬(あぶらぜみ)」は日本で最も身近なセミの一つ。夏の暑い盛りに、ジリジリ、ジージと油を揚げているような音で鳴く。「蟬」の傍題。
掲句は、前年に亡くなった父を追想しての作品。現に耳に聞こえている油蟬の声が、健在だった頃の父の面影を誘い出したのだ。と言っても、その父は眼前にいるのではなく、いつも遠い畠で農事に精を出している人として、作者の胸に浮んできた。喧しく鳴きたてる油蟬の声が、父とともに流れた静謐な歳月を呼び戻す。昭和46年作。『帰路』所収。
バラ科キイチゴ属の落葉小低木。草のように地を這うため「草苺」と呼ばれるが、モミジイチゴ、ナワシロイチゴ、カジイチゴなどとともに日本在来の木苺の仲間である。本州から九州の明るい林地や林縁に自生する。春に白い花が咲いた後、初夏に赤い大きな果実が熟れる。生食又はジャムにする。なお、店頭に並ぶ「苺」はバラ科オランダイチゴ属の多年草。

スズメ目ヒバリ科の留鳥。各地の麦畑や牧草地、河川敷などに生息する。春の繁殖期には、草地や畑地などに皿型の巣を作り、卵を産む。オスは空中高く舞い、甲高く囀って縄張りを主張したり、メスにアピールしたりする。

日本等原産のアブラナ科イヌナズナ属の越年草。ナズナ(ぺんぺん草)と似ているが別種の草で、苦みがあり食用には適さない。春先にナズナと形状が似た黄色い花を咲かせる。ナズナの実は三味線の撥(バチ)のような形をしているが、イヌナズナの実は細長い。なお、歳時記には掲載されていない。

ヒタキ科の鳥類。オスは背が黒く胸が鮮明な黄色。メスは全体が地味なオリーブ褐色。4月頃、東南アジアから夏鳥として渡来し、全国の低地から山地までの広葉樹林に生息する。飛んでいる昆虫等を空中で捕食する。繁殖期は5月~7月。
