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俳句の庭

  • ゲラニウム・ロザンネイ

    8月 10th, 2026

    フウロソウ科の宿根草。ヒマラヤ原産の2つの野生種の交配によりイギリスで生まれた品種である。初夏から秋にかけて、青紫色(バイオレットブルー)の直径4~5センチの花を咲かせる。広義には「風露草(ふうろそう)」(夏季)の仲間だが、「風露草」は一般的にはアサマフウロやハクサンフウロなど日本原産の可憐な野生種を指すことが多い。

  • 出刃の背を叩いて捌く桜鯛

    8月 10th, 2026

    「桜鯛」は桜の咲く頃に産卵のため内海や沿岸に集まる真鯛のこと。体色が桜色に染まることからこの名がある。産卵に向けて栄養を蓄えているため脂がのり、一年の中で最も美味になる時季でもある。

    掲句は、鮮魚売り場の厨房で鯛を捌いているところを見かけての作品。日頃の私の密かな愉しみの一つは、鮮魚売り場で魚を見て回ること。といっても、三枚に卸されたりして切り身になっているものは、既に食材と化しているから趣に欠ける。生きていたときの姿のまま店先に並べられている魚がいい。見かけると、鮮度を吟味しながら暫く立ち止まる。時には奥の厨房で、俎板を水で洗い流しながらお兄さんが魚を捌いていることもある。令和8年作。

  • 鬼薊(おにあざみ)

    8月 9th, 2026

    日本固有種のキク科の多年草。国内では、主として日本海側の山野に自生する。トゲが強く、草丈は0.5~1メートル。夏から9月頃にかけて、下を向いた紫色の花を咲かせる。一方、現在日本全国の道端や空き地に広く野生化しているのが、ヨーロッパ原産のアメリカオニアザミ。「秋薊」の傍題。なお、単に「薊」といえば春の季語。

    下の写真は、パリ近郊で見かけたアメリカオニアザミ。

  • 雁(かり、がん)

    8月 9th, 2026

    カモ科ガン類の総称。日本に飛来するのはマガン、ヒシクイ、シジュウカラガン、コクガンなどで、迷鳥を除くと全て冬鳥。晩秋の頃、シベリアなどの北方から渡ってきて、V字などの列を作って鳴きながら飛ぶ。

    下の写真は北アメリカを中心に、ヨーロッパにも生息しているカナダガン。本来の野生のカナダガンは北アメリカを南北に移動する渡り鳥だが、ヨーロッパで見られる個体の多くは留鳥という。

  • 登園のひとり泣き虫花ゑんど

    8月 9th, 2026

    「花ゑんど」は豌豆(えんどう)の花のこと。晩春の頃、赤紫や白、ピンク色の蝶のような形をした可憐な花を蔓の先に咲かせる。若い莢は絹莢、豆はグリーンピースとして食される。

    掲句の対象は今年5歳になる孫。近隣に住んでいる年子の孫2人を近くの園バスの停留所まで送っていくのが日課である。上の男の子は、入園後しばらく泣きべそをかきながらの登園だったが、今ではすっかり慣れて、幼稚園が大好きなようである。道すがら、鉢植えの豌豆が花をつけていた。だが、以上のような作者に即した事実を離れて読んでもらえればと思っている。令和8年作。

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