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俳句の庭

  • 明易や小さき旅の小さき荷 辰巳奈優美

    6月 16th, 2026

    「明易(あけやす)」は夏の夜が短く、すぐに夜が明けてしまうこと。すがすがしい夏の夜明けにあって、短夜(みじかよ)を惜しむ思いがある。

    掲句は、早々と明け白む旅の一夜を詠んだ作品。一、二泊の軽い旅とあって、旅の荷も小さい旅行鞄一個。気軽な小旅行だが、旅先ではいつものように早々と目が覚めてしまう。同行の人たちがまだ眠っている中で、作者は清々しい夏の空気を吸いながら、たちまち明けてしまう旅先の一夜を惜しんでいる。『俳壇』2026年7月号。

  • 新馬鈴薯(しんじゃが)

    6月 15th, 2026

    初夏の頃掘り出され、貯蔵されずにすぐ出荷される若いジャガイモのこと。皮が非常に薄く、みずみずしくて特有の香りが残っているのが特徴。収穫は早いが、秋に収穫されるジャガイモとの品種の違いはない。単に「馬鈴薯(じゃがいも)」と言えば秋の季語。

  • 明急ぐ

    6月 15th, 2026

    夏の夜の明けが早いこと。春分を過ぎて日が長くなり、夏至の頃に夜が最も短くなる。科学的な現象に加えて、短い夜が過ぎ去るのを惜しむ思いが含まれる。「明易(あけやす)」の傍題。

  • 今朝の巣に子燕の口ひとつ減る 柴田多鶴子

    6月 15th, 2026

    「燕の子」はその年に生まれた燕の雛や幼鳥のこと。春に日本へ渡ってきた親燕は巣作りをし、抱卵季を経て5月から7月にかけて雛が孵る。雛たちは、軒先などの巣から大きな口を開けて餌をねだったり、巣立ちの練習をしたりする。

    掲句は、いつも大きな口を開けて餌をねだっていた子燕が、今朝は一つ減っていたという。巣立ったのだろうか、それとも外敵に襲われたのだろうか。毎日燕の巣を見上げて、子燕の成長を楽しみに見守ってきた作者には何とも気にかかるのだが、確かめようがないのだ。表現は平明で何の奇もないが、燕の子の成長を日々見守る作者の心の揺らぎが、一読手に取るように伝わってくる。『俳壇』2026年7月号。

  • 蝦蔓の花

    6月 14th, 2026

    「蝦蔓(えびづる)」は、日本を含む東アジア原産のブドウ科の蔓植物。古名は「えびかづら」。本州以南の山野に自生する。7月頃、淡緑色の小さな花を密集して咲かせる。秋になると小さなブドウに似た藍黒色の実をつけ、食用になる。単に「蝦蔓」と言えば秋の季語。

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