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俳句の庭

  • 豆軍配薺(まめぐんばいなずな)

    6月 9th, 2026

    北アメリカ原産のアブラナ科の越年草。明治時代に北アメリカから渡来した。道端や空き地に自生する。初夏に咲く小さな白い花と、相撲の行司が持つ軍配に似た丸く扁平な実が特徴。歳時記に掲載されていないが、在来種のナズナと同じアブラナ科に属するため、植物学的な正確性にこだわらずに「薺(なずな)の花」 として詠むことも可能だろう。ただし、在来種のナズナより花期は遅い。

  • 廣瀬直人の俳句(55)

    6月 9th, 2026

    花剪つて花と歩める蛇笏の忌 直人

    「蛇笏忌」は俳人飯田蛇笏の忌日で、10月3日。早稲田大学中退後郷里に帰り、「雲母」を主宰。 1962年に77歳で逝去した。

    飯田蛇笏は作者の先師に当たる人である。全句集の季語別索引によれば、作者が作った蛇笏忌の句は、句集未収録の作品を含めて計31句にのぼる。その中でも、掲句は初期の佳品の一つ。菊、コスモスなどの秋の草花を剪つて、その花を手に蛇笏の墓前まで歩いて行くのだろう。忌日に際して花を手向けるという行為にともなう純粋な追慕の思いが、平明な措辞の中にごく自然に表れているところがいい。昭和49年作。『日の鳥』所収。

  • 胸に棲む人のごとくに春の星

    6月 8th, 2026

    「春の星」は春の夜空に潤んで見える柔らかく暖かさを感じさせる星のこと。冬の澄み切った空に鋭く輝く星とは対照的に、春の夜気(やき)の中でぼんやりと優しく光る。

    掲句は、宵の口にベランダから「春の星」を振り仰いでの作品。老境にさしかかる頃になると、誰の胸にも、これまで縁のあった人の思い出が棲みついているものである。それは、忘れ得ぬ昔の恋人だったり、今は亡き肉親や恩師だったりする。その時は、頭上に光りはじめた「春の星」への親しみが、「胸に棲む人」に対する思いへと私を誘ったようである。令和8年作。

  • 夏嶺(なつね)

    6月 8th, 2026

    夏の青々と緑におおわれた山。「夏の山」の傍題だが、「夏の山」が遠望の山並み、眼前の山々、或いは現に今登っている山などを幅広く包含する言葉であるのに対し、「夏嶺」は、やや隔たったところから仰ぐ山の尾根や頂上に焦点が置かれている。山全体ではなく、天に向かってそびえる稜線や、連なる頂(いただき)にクローズアップした言葉である。

  • 鮎生簀(あゆいけす)

    6月 8th, 2026

    鮎はアユ科の魚で、夏の川魚の代表。水揚げした鮎は、出荷などの前に一時的にきれいな流水の生簀(いけす)に移される。また、鮮度の維持や涼しさの演出などのため、飲食店や料亭の厨房・店内に生簀を設置する場合もある。鮎は、生簀の中で、ピチピチと跳ねたり悠々と泳いだりする。「鮎」の傍題。

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