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俳句の庭

  • 廣瀬直人の俳句(56)

    6月 11th, 2026

    行く秋の虹の半分奈良にあり 直人

    「行く秋」は、過ぎ去ろうとしている秋のこと。秋から冬へと移り変わる晩秋の時期にあって、秋を惜しむ寂寥感が込められている。

    掲句は、奈良旅吟の一句。全句集に収められている略年譜によれば、作者はこの年11月、雲母大阪支社五十周年記念大会に出席し、飛鳥地方を散策している。「行く秋」には秋を惜しむ寂しさが感じられるが、他方、大きく架かる虹の半分が奈良にあるとの伸びやかな把握には、旅吟ならではの解放感がある。ぱらついて通り過ぎた雨の後、奈良町の上空に淡々と大きな虹。晩秋古都の佇まいを味わいながらの旅だったのだろう。昭和50年作。『日の鳥』所収。

  • 飛行学校跡胸像と白梅と

    6月 10th, 2026

    「白梅(しらうめ、はくばい)」は百花に先駆けて清らかな白い花を咲かせ、その清楚な姿は古くから愛でられてきた。「梅」の傍題。

    掲句は、近くの公園内にある飛行学校跡の情景を詠んだ作品。学校は跡形もないが、口髭を生やした胸像一体とその傍らに咲く白梅が、在りし日の名残をとどめていた。胸像は、航空技術の技術指導のために来日したフランス航空教育団団長フォール大佐のもの。1928年に、同氏の偉業を称えるため所沢飛行学校が校内に建立したという。因みに、学校が閉校になったのは1937年。ほぼ百年前の出来事である。令和8年作。

  • 波知引(はちびき)

    6月 10th, 2026

    スズキ目ハチビキ科の魚。サバに姿が似ているため「赤サバ」とも呼ばれるが、サバの仲間ではなくスズキ目の魚。南日本を中心とする温暖な海域の深海に生息する。夏場に脂がのって美味しくなるため、地域によっては代表的な夏の魚として扱われる。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 青梅雨(あおつゆ)

    6月 10th, 2026

    木々の緑を一層色濃く、鮮やかに引き立たせて降る梅雨どきの雨のこと。たっぷりと雨と太陽の光を浴び、青々と鮮やかさを増した木々の葉に降る雨や、その雨に濡れてより深く見える木々の緑を指す言葉。憂鬱になりがちな梅雨の季節を、自然の生命力とともに前向きに捉える感性が込められている。「梅雨」の傍題。

  • 青げら

    6月 9th, 2026

    キツツキ科の鳥。大きさはヒヨドリほど。体の背や翼の上面は暗緑色で、腹には横じま模様がある。本州から屋久島の低地及び低山の林に留鳥として生息する。主に幹や枝で昆虫を採食する。ピョー、ピョー、ピョーと、口笛のような大きな声で鋭く鳴く。餌を採るときの木を叩く音と目立つ色彩が、晩秋の雑木林などで印象的なので、「赤げら」「小げら」などの他のキツツキの仲間とともに秋の季語。「啄木鳥(きつつき)」の傍題。

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