「春」は四季の一つで、立春(2月4日頃))から立夏(5月6日頃)の前日までの期間。 日差しが日に日に強くなり、風も和らぎ、 冬の茶色やグレーの世界から、梅や桜のピンク、菜の花の黄色、新芽の鮮やかな緑へと、色彩が多様になる。草木虫魚の活動が活発になる季節でもある。
掲句は、道行く人の山高帽に鳥の羽が差してあるのを目にして、春になったことをしみじみ感じ取っているとの句意。山高帽はイギリス発祥の帽子で、自ずから、ダンディな年配男性の風貌が思い浮かぶ。帽子に鳥の羽を差すのは、心の余裕の表れであり、作者はそこに、明るく開放的な春の到来を感じ取った。街中で目にしたことをすかさず一句に仕立てた即興の作品だろう。即興は俳句の醍醐味の一つ。『俳句四季』2026年5月号。