「噴水」は機械的に水を噴き上げ、そのさまざまな形を楽しむ仕掛け。空中に飛び散る水しぶきが周囲に涼しさを与える。公園などに多く見られる。
作者は北海道札幌市出身の俳人で、1976年6月に逝去しているので最近作というのではないが、総合誌で目にしたので取り上げてみた。今もなお「戦後」は続いているので、作者の表現の意図は現代の読者にも十分伝わると思う。都市部の公園などで見かける「噴水」も指が優しくなった男たちも、戦後の景物である。事務や営業に従事するホワイトカラーの男性を思い浮かべたい。公園に憩う彼らの白くすっきりした指は、最早銃を手にすることもない。平和な光景だが、「やさし」には物足りなさも感じられる。「戦後」という時代に向けた作者の複雑な思いが覗いている。『俳壇』2026年9月号。