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俳句の庭

  • 椎落ちて千體仏のひとつ覚め

    11月 5th, 2024

    椎はブナ科シイ属とマテバシイ属に属する樹木。椎の実には小粒の球形とやや大振りな細長の二種があり、炒ると香ばしく甘い。古く縄文の頃より親しまれてきた。「椎落つ」は椎の実が落ちること。

    掲句は武蔵国分寺の薬師堂の裏手の千体仏を詠んだもの。佇んでいると、折々椎の木が実を落とした。建武2年新田義貞の寄進による建立と伝られるお堂の裏手は、時が止まったような静寂が辺りを占めていた。千体仏の中には、ほとんど摩耗して原形をとどめないものや元の顔かたちを比較的とどめているものなどがあった。平成18年作。『春霙』所収。

  • 鰤(ぶり)

    11月 5th, 2024

    アジ科スズキ目の回遊魚。全長約1メートルに達する体は紡錘形でやや側扁する。背は暗青色、腹は銀白色で、中央に一本の黄色の帯が縦走する。成長するにつれて名を変える出世魚で、例えば東京地方での呼び名はワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと変化し、ブリは体長80センチに達したものをいう。漁期は冬から春にかけてで、冬に取れる鰤(寒鰤)が脂が乗って最も美味。刺身、塩焼、照焼などにする。

  • 新藁

    11月 5th, 2024

    今年取れた稲の茎のこと。脱穀が終わったばかりの藁には青みが残り、清々しい香りがある。いったん保存して俵、敷物、履物、注連縄などの材料にしたり、秣(まぐさ)にしたりする。近頃は脱穀のあと裁断するなどして、田圃にそのまま放置されていることも多い。「今年藁」ともいう。

  • 夭折のチェリストの名の冬薔薇

    11月 4th, 2024

    「冬薔薇」は冬になっても花をつけている薔薇のこと。あらかた葉を落として、咲き継いでいる姿は鮮やかで美しい。

    掲句は42歳で夭折したイギリスのチェリスト「ジャクリーヌ・デュ・プレ」の名を冠した薔薇を句にしたもの。二つ、三つ咲いたその清楚な白薔薇の印象が、志半ばで病に倒れたチェリストの姿を彷彿させた。令和5年作。

  • オリオン

    11月 4th, 2024

    ギリシア神話の狩人オリオンの名に由来する冬の星座。赤色のベテルギウス、青白色のリゲル、二つの1等星を対角に大きな四辺形を形成する。真冬の夜に真東から上がり、夜半に南中し、明け方に真西に没する。オリオンの腰の帯を示す三つの星は、数多い星の中でもとりわけ目を惹く。別名「三つ星」。

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