郁李(にわうめ)は、中国原産のバラ科サクラ属の落葉低木。古い時代に中国から観賞用としてもたらされた。庭によく植えられ、花が梅に似ていることからこの名がある。「庭梅」とも表記する。4月頃、葉より早く淡紅色や白の五弁花を多数咲かせる。

郁李(にわうめ)は、中国原産のバラ科サクラ属の落葉低木。古い時代に中国から観賞用としてもたらされた。庭によく植えられ、花が梅に似ていることからこの名がある。「庭梅」とも表記する。4月頃、葉より早く淡紅色や白の五弁花を多数咲かせる。

濃尾平野に人しるき薄暑かな 直人
「薄暑(はくしょ)」は、立夏を過ぎてほのかに暑さを感じる爽やかな気候のこと。歩くと少し汗ばむ程度で、新緑が美しく風が心地よい時期である。大正時代以降に使われるようになった、比較的新しい季語。明るく前向きな夏の始まりを表す。
掲句は、やや高みから濃尾平野を見わたしての旅吟。「しるき」は漢字表記では「著き」で、様子や特徴がはっきりとわかり、際立っていること。大景の中で動く人影が、初夏の光の中でくっきりと浮かび上がったのだ。濃尾平野という木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の土砂堆積で形成された広大な平野の景観を、天守閣などからほしいままにしている作者の姿が彷彿する。「薄暑」には、表現者としての作者の前向きな思いが映し出されているだろう。昭和49年作。『日の鳥』所収。
古くから親しまれてきたユキツバキ系の園芸品種。花びらが幾重にも規則正しく重なった千重(ちえ)咲きが特徴。公園や庭などに植えられる。花色は淡いピンク色。なお、椿はツバキ科ツバキ属の常緑高木。主に3〜4月頃にかけて咲き続ける。「椿」の傍題。

マンサク科の落葉低木。高知県の山地に自生していたことからこの名がある。葉が出る前に淡い黄色の小さな花を穂状に垂らす。本種の仲間には、他に、日向水木(ひゅうがみずき)、高野水木などがあるが、土佐水木は日向水木よりも一回り大きく、花序が長いのが特徴。庭園などに植えられる。

「十三夜」は、旧暦9月13日の夜の月のこと。中秋の名月(旧暦8月15日)の約1ヶ月後、満月直前の少し欠けた月を愛でる日本独自の風習。「後の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれる。少し欠けた月光が澄み渡るところには、物寂しい晩秋の趣がある。
掲句は、母亡き故郷に身を置いての作品。折からの「十三夜」の月光の中で、母が存命だった頃を思い起こしているのだろう。母が亡くなっても故郷との関係が絶えることはないが、やはり故郷は母が在ってこそのものだった、と。平明だが、普遍的かつ深い思いを宿す一句。『俳句』2026年4月号。