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俳句の庭

  • 廣瀬直人の一句(1)

    2月 10th, 2026

    令和2年に刊行された『廣瀬直人全句集』に収められている諸作品から、折々の感銘句を取り上げ、読み味わっていきたい。

    一月一日山に鳶雲に鳶 直人

    一月一日は「元日」。一年の始めの日である。その日の朝に限定するときは、「元旦」「大旦」などともいう。門松や鏡餅を飾り、屠蘇を酌み、雑煮を食べて祝う。 また、「正月」といえば、新年を祝う行事や華やいだ雰囲気をイメージする。

    掲句は、「元日」「元旦」「年新た」などの既存の季語を敢えて用いずに、「一月一日」と何の飾り気もなく表現した作品。「一月一日」の8音を上に据えた8・5・5の破調の句だが、一読新鮮な味わいがある。新年を迎えた作者の決意が読む者に静かに伝わってくる。正月の華やぎを極力排除した独り心の作品であり、作者の目は鳶の舞う元日の空に向けられている。龍太の代表作〈春の鳶寄りわかれては高みつゝ〉で詠まれた鳶を通して、師弟の詩心が呼び交わす。作者晩年の絶唱といっていいだろう。直人はこの年の1月14日に病に倒れ、再び句作の筆を執ることができなかった。最後の句集『風の空』以降に発表された作品である。平成24年作。

  • 雪折れの老梅

    2月 10th, 2026

    幹が苔むしたり、ねじ曲がったりしながら、春になれば凛とした花を咲かせる公園の老梅。樹齢は不詳。先日降った雪の重みで太い枝が折れていた。枝先には蕾がびっしりとついていた。

  • たびら雪

    2月 10th, 2026

    春に降る薄くて大きな片の雪。漢字表記では「太平雪」。「だんびら雪」「かたびら雪」ともいう。「淡雪」の傍題。地面に降っても間もなく溶けてしまう軽く儚い雪である。

  • 永日(えいじつ)

    2月 9th, 2026

    春になり、昼の時間が長くなったと感じること。また、その長く長閑な一日のこと。「日永(ひなが)」の傍題。実際に最も昼が長いのは夏至(げし)の頃だが、冬を越して日が伸びたと実感するのは春。音読み(漢語)のため、少し硬い響きが客観的、理知的で、どこか静寂や寂寥感(せきりょうかん)を伴う言葉。

  • 八国山南麓の紅梅

    2月 9th, 2026

    2月7日に撮った東京都東村山市の北山公園の紅梅。線路を隔てたすぐ北側は八国山で、所沢市との境になっている。紅梅の方が白梅よりも少し早く咲き始める傾向があるといわれるが、ここの梅林は順序が逆で、白梅が冬のうちから咲き始め、今は紅梅が見頃。飯田龍太が〈白梅のあと紅梅の深空あり〉と詠んだ、あの紅梅の空である。ただし、この日は朝から曇っていた。

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