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俳句の庭

  • 蜜柑

    11月 15th, 2024

    ミカン科ミカン属の常緑樹木で、広義の意味では柑橘類一般を総称するが、狭義には鹿児島県原産の温州蜜柑(うんしゅうみかん)を言う。多くの栽培品種があり、産地によりブランド名がある。産地は九州、四国、山陽から和歌山県、静岡県などの暖地で、神奈川県が北限。晩秋に収穫する。「蜜柑の花」は夏季、「青蜜柑」は秋季。

  • 大蜘蛛の漆びかりす冬はじめ

    11月 14th, 2024

    蜘蛛の多くは糸を分泌して巣を作り、これにかかった昆虫を捕食する。本来は夏の季語だが、大きく肥えた女郎蜘蛛などが、人の頭上に巣を張っているのを見かけるのは秋の半ば頃から。冬になっても依然として空の一隅を占めている強者(つわもの)もある。

    掲句は立冬を過ぎてもいよいよ意気盛んに巣に蟠踞している大蜘蛛を詠んだ作品。夜通し木枯らしが吹いた明け方、頭上に吹き残されたように静まっている大きな蜘蛛を見かけた。全く弱っている気配はなく、日差しを受けて漆びかりしていた。平成19年作。『春霙』所収。

  • ずわい蟹

    11月 14th, 2024

    甲殻類十脚目クモガニ科に属する蟹。島根県以北の日本海とベーリング海の深海の砂泥に生息し、冬季が旬。メスはオスより小さく、地域によって、オスはエチゼンガニ、マツバガニ、ヨシガニなどと呼ばれ、メスはコッペガニ、コウバコガニ、セイコガニ、クロコガニなどと呼ばれる。茹でたり汁物にしたり鍋にしたりする。俳句で単に「蟹」といえば山や川、磯にいる小蟹のことで夏季になる。

  • 鷹

    11月 14th, 2024

    ワシ、タカ科の中形の鳥類の総称。ワシとタカの区別は曖昧で、おおむね体の大きいものがワシ、小さいものがタカと呼ばれている。オオタカ、クマタカ、ハイタカ、ツミ、ノスリなどがいる。その多くは留鳥・漂鳥だが、かつて公家や武家の間でさかんに行われた鷹狩が冬の季題であったことから、鷹も冬季になったといわれる。色彩は主に暗褐色。嘴は強く鋭く曲がり、脚には強い大きな鉤爪があり小動物を襲って食べる。なお、「鷹渡る」は、主として、夏鳥として日本に渡来する差羽(さしば)が、秋に南方に帰って行くことで、ノスリの一部など冬鳥として秋に北方から渡来する鷹をさすこともある。

    下の写真は冬鳥として日本(本州中部)に渡ってきたチューヒ。

  • 茸犇めき天上に龍太の目

    11月 13th, 2024

    「茸」は晩秋の頃、山林の湿地や生きた木、朽木、切株などに生える菌類の総称。秋の味覚の代表として焼いたり煮たりして食する茸から、猛毒の茸までその種類は多い。

    森の中にはいたるところに茸が生える。切株、風倒木や地面などだけでなく、生きている木の根の辺りにも生える。傘を広げる前の茸の可憐なつむりが、群がる保育園児のようにも見える。ふと、前年2月に亡くなった飯田龍太の眼差しを、木の間の空に感じた。山住みの龍太にとって茸は身近な存在で、〈茸にほへばつつましき故郷あり〉など度々句に詠まれている。平成20年作。『春霙』所収。

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