蛇笏忌は10月3日。毎年9月27日の父の忌日に続いて、蛇笏忌が巡ってくる。通常の天候であれば、秋たけなわの晴天が続く時節。
掲句は八ヶ岳東麓の野辺山高原での作品。その日は、ある時は遠くを、ある時は頭上を「爽籟(そうらい)」が吹きわたった。「爽籟」は澄みわたる秋の空に響く、心地よい風の音。雑木の中には、松のように、風を受けて味のある音色を奏でる木が交っていて、潮騒のようなその音に耳を澄ませていると、やがて私自身が風に包まれた。夏の厳しい暑さの記憶が漸く薄れる頃だった。令和7年作。
蛇笏忌は10月3日。毎年9月27日の父の忌日に続いて、蛇笏忌が巡ってくる。通常の天候であれば、秋たけなわの晴天が続く時節。
掲句は八ヶ岳東麓の野辺山高原での作品。その日は、ある時は遠くを、ある時は頭上を「爽籟(そうらい)」が吹きわたった。「爽籟」は澄みわたる秋の空に響く、心地よい風の音。雑木の中には、松のように、風を受けて味のある音色を奏でる木が交っていて、潮騒のようなその音に耳を澄ませていると、やがて私自身が風に包まれた。夏の厳しい暑さの記憶が漸く薄れる頃だった。令和7年作。
白い丸餅に小豆色の菱餅を重ね、甘煮にしたごぼうと白味噌餡をのせて二つに折った和菓子。「花弁餅」とも表記する。明治時代以降、裏千家の初釜で使われるようになり、新年の代表的な菓子として広まった。平安時代の歯固の儀式に由来し、長寿を願う宮中の新年のお祝い料理が簡略化されたもので、宮中のお節料理の一つであった。なお、長寿を願って正月に固いものを食べる風習である「歯固(はがため)」も新年の季語。

新年になって初めて目にする景色のこと。年が改まった清々しい空気の中で、普段見慣れた風景も特別なものに感じられる。自然の風景だけでなく、家の周りや街角、人々の姿も含まれる。「初」という語には、新たな年への希望が込められている。

榾(ほた)は囲炉裏や竈で燃やすための、木の幹や枝、切り株などを乾燥させた焚き物のこと。
掲句は山荘の暖炉で榾の燃え崩れる様を詠んだ作品。燠(おき)は榾や薪などが燃えて炭火のようになったもの。水楢の榾が燃え盛って、紅椿のような真っ赤な燠をこぼした。炉床に落ちた燠は、ゆっくりと灰になっていく。「花びらのごと」との比喩はそのとき感じたままの表現。火を見て過ごす心豊かな時間が流れていた。令和7年作。
冬になって草木が枯れ果てて、野山が荒涼とした景色になること。一木一草の枯れのこともいうが、野山一面枯れ色となった寒々しくもの寂しい景色をもいう。枯れ果てた中に、春を待つ静けさが感じられる。
