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俳句の庭

  • 枯葛(かれくず)

    12月 7th, 2025

    歳時記に掲載されている「名の草枯る」(冬季)は、薊(あざみ)、葛(くず)、鶏頭等一般に名前の知られている草が枯れることをいう。実際に詠む際には、それぞれの草の名前を用いて「枯薊」「枯葛」「枯鶏頭」などと表現する。「葛」はマメ科クズ属の蔓状の多年草で、全国の山野に自生する。晩夏から初秋にかけて他の草木を覆い尽くすほど繁茂するが、冬になると枯れて蔓だけになる。

  • 秋霖や塔婆を担ぎゆく男

    12月 7th, 2025

    「秋霖(しゅうりん)」は、秋の長雨のこと。夏の夕立のような激しい雨ではなく、時に一日中、或いは数日間にわたり静かに降り続く。

    掲句は母方の祖父が亡くなり、四十九日の法要を済ませて納骨したときの作品。「男」と素っ気なく言っているが、実際に卒塔婆を担いでいたのは父であった。そんな時の雨は冷え冷えと胸に沁みるものである。私としては、初期の作品に属する一句。その年の5月に生まれた次男が、葬儀の雰囲気に異様なものを感じたのか、法要の最中に泣き出したことを覚えている。平成4年作。『河岸段丘』所収。

  • 山毛欅黄葉

    12月 6th, 2025

    秋には、イチョウ、クヌギなどが黄葉(こうよう)するが、山毛欅(ぶな)の黄葉(もみじ)もその一つ。山毛欅はブナ科ブナ属の落葉高木で、日本各地の温帯から冷温帯の山地に自生する。秋には、黄葉が黄色から黄金色、さらに琥珀色に近い茶色へと変化する。

  • ブルーベリー紅葉

    12月 6th, 2025

    ブルーベリーは北米原産のツツジ科スノキ属の落葉低木。春に白い花が咲き、6~8月に実が熟れ、秋には紅葉する。系統や品種によって紅葉の仕方や色合いは様々だ。なお、季語としては定着していない。

  • つりがねにんじん傾ぎて山の日暮よぶ

    12月 6th, 2025

    「つりがねにんじん」は漢字表記では「釣鐘人参」。キキョウ科の多年草。全国の山地、高原などに自生する。晩夏初秋の頃、淡紫色の釣鐘の形をした花を下向きにつける。

    掲句は八ヶ岳の東麓の野辺山高原での作品。林縁にこの花をよく見かけた。花の一つ一つが鐘の形をしているので、耳元で振ってみたいと思うような可憐な花だ。既に初秋の頃で、避暑期のピークは過ぎ、日暮れの気配が辺りに漂っていた。稜線の向こうに日が落ちると、たちまち夜闇が被さってくる頃だった。平成10年作。『河岸段丘』所収。

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