山野に自生するシソ科の多年草。高さは20~30センチ程。初夏に、茎の先端近いところに唇のような形をした白や紫色の花をつける。名前の由来は、一茎の花が同じ方向を向いて咲き、打ち寄せてくる波頭のようにみえることから名づけられたという。種を蒔いた訳でもないのに、庭先や路傍に咲いているのを見掛ける。繁殖力が強いのだろう。

山野に自生するシソ科の多年草。高さは20~30センチ程。初夏に、茎の先端近いところに唇のような形をした白や紫色の花をつける。名前の由来は、一茎の花が同じ方向を向いて咲き、打ち寄せてくる波頭のようにみえることから名づけられたという。種を蒔いた訳でもないのに、庭先や路傍に咲いているのを見掛ける。繁殖力が強いのだろう。

「春隣」には、長い冬を経て、待ち望んでいた季節がやっと到来するとの期待感があるが、「夏隣」には、到来する季節に対する心弾むような期待とともに、暑さの厳しい季節を前にした緊張感も交じるようだ。
銀座のとある画廊で見掛けた一枚の油絵が契機になっている作品。桜島が画面いっぱいに描かれていた絵だったと記憶する。その色彩や筆致のもつ躍動感に、一見して夏の到来を感じた。万物にエネルギーの満ち溢れる夏がすぐそこまで来ていた。こちらも、夏に負けないよう、気を引き締めて待ち受けなければなるまい、と思った。平成31年作。
「筍」は、イネ科タケ亜科タケ類の地下茎から出る若芽のこと。「筍」が出る時期は、竹の種類によって、また、地方によって若干異なる。食材としての「筍」の旬は、孟宗竹が3月から4月、淡竹、真竹が4月から6月、根曲がり竹が5月中旬頃からだが、俳句では「筍」は初夏の季語になっている。穂先が地上に現れると次第に固くなり、えぐみも強くなるため、地面に顔を出すか出さないうちに収穫する。

スイカズラ科の落葉低木で、生長すると人の背丈を凌ぐほどになる。初夏、白色の小花が球形に集まって咲く。眩しい五月の陽光に弾むように咲く姿は魅力的だ。薄緑色のものや、うすうすとピンク色に染まったものなどもある。なお、晩春に咲く「こでまり」はまったく別種(バラ科)の植物。

4月も下旬になると、日差しや風、水のきらめき、庭園や野の花々、道を歩く人の服装、青果や鮮魚の売り場など、見るもの聞くものにつけ、夏の近づいてくることを実感することが多くなる。
掲句は、簡明な即物具象の作品。一読、〈春暁の竹筒にある筆二本 龍太〉を思い浮かべた。動きがあるとすれば、戸外に干してある俎板に、木漏れ日がゆらゆらと揺れていること位だろうか。いずれにしても、下五の「夏隣」は盤石の据わりだ。本格的な夏の到来を前にした静かさが辺りを支配している。「俎板」という素材に、生活者としての作者の日常が覗いている。『俳壇』5月号。