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俳句の庭

  • ぬらぬらと蜜移し合ふ蜂の舌 芳山遊

    4月 24th, 2023

    「蜂」の多くは集団で生活し、女王蜂、働き蜂など、集団の中での役割が決まっている。また、その生態は、蜜や花粉を目当てに花にくるもの、他の虫を捕食するものなど様々だ。

    掲句は、花々を巡って集めてきた蜜を移し合う蜜蜂の口吻の辺りを、クローズアップしたような作品だ。通常は、野外を歩いていても、そのような微細な部分に目を止めることは少ないが、この句では、拡大鏡を覗いたときのように、蜂の舌が「ぬらぬら」と動いて蜜を移し合う様が、読者の目に見えてくる。「ぬらぬら」との擬態語が臨場感をもたらしている。『俳壇』2023年5月号より。

  • 著莪の花

    4月 24th, 2023

    中国原産のアヤメ科の多年草。古い時代に渡来したものが野生化した帰化植物で、日本各地の山野で見られる。谷川沿いの木陰などやや湿った半日陰を好む。一日花で花の寿命は短いが、花数が多く次々に開花する。「胡蝶花」という別名は、この花の、蝶の群がり舞うような印象から名付けられたという。朝の湿りの中で、この花も目覚めたばかりの風情。

  • 春の鵙天地和合の季(とき)に入る

    4月 24th, 2023

    単に「鵙」といえば秋の季語だが、春の営巣期に雌に求愛する鵙は、天地に向かってやさしく呼びかけるような声で鳴く。秋晴れの澄みわたった大気を貫く鵙の声とは趣が異なる。秋の高鳴きは鵙の縄張り宣言であり、越冬して春になると、自らの縄張りに留まったまま営巣期・繁殖期に入っていく。

    郊外で、風の彼方にやさしく呟くような「春の鵙」の声を聞いて、春の訪れを感じたことが契機になってできた一句。冬の間は天地も風も草木も、それぞれ孤立して厳しい様相を呈していたのだが、いつしか、自然の万物も人間も相互に親しみ合う季節に入ったのだと思った。平成25年作。

  • 白雲木(はくうんぼく)

    4月 23rd, 2023

    全国の山地や庭園に見られるエゴノキ科エゴノキ属の落葉高木。5~6月に純白の花が長い穂になって垂れ下がる。その花の様子を白雲に見立てたのが和名の由来。「えごの花」は歳時記に仲夏の季語として掲載されているが、同科同属の「白雲木」もほぼ同時季に咲くので、仲夏の季語として扱っていいだろう。「えごの花」と同様に、この季節の印象そのままの清潔感のある明るい花だ。

  • 薔薇(ばら)

    4月 23rd, 2023

    バラ科バラ属の総称。花時は初夏、次いで秋。細々と冬に咲き残っている「薔薇」もあるが、俳句で「薔薇」といえば、初夏の季語。「薔薇」は、その姿形を楽しむほか、香りを愛でる人も多い。古くから人類が品種改良を重ねてきた「薔薇」には多くの品種がある。中でも、一重咲きは野生の「薔薇」が持つ本来の花型で、楚々とした姿が印象的だ。一方、八重咲の「薔薇」の絢爛たる姿形も魅力的だ。「薔薇」には、西洋庭園がよく似合う。

    下の写真は、日比谷公園の薔薇園。

    下の写真の蔓性の白薔薇は、ドイツ生まれの品種「アイスバーグ」。

    下の写真は、日本生まれの品種「春霞」。

    下の写真は、フランス生まれの品種「パブロワ」と「サラバンド」。

    下の写真は、イギリス生まれの品種「シャンパンモーメント」。

    下の写真は、日本生まれの品種「ブルーグラビティ」。

    下の写真は、日本生まれの品種「あおい」。

    下の写真はフランス生まれの品種「ギーサヴォア」。

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