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俳句の庭

  • 芭蕉の推敲(13)

    10月 19th, 2023

    昨日からちよつちよと秋も時雨かな 芭蕉                             元禄7年9月作。当時芭蕉は大坂に滞在していた。「ちよつちよと」は間を置いて同じことが何度も繰り返されるさまを表す擬態語。俗語調の軽みを狙った作品だが、やや浅薄・軽薄に陥っていることは否めない。『笈日記』にはこの初案と次に掲げる句形が併出されているが、芭蕉本人がこの句を公表する意思があったとは思えない。芭蕉の遺吟・遺文を集めて支考が編んだ同書が、下書き段階のものを含む玉石混交だったことを示すものだ。

    秋もはやばらつく雨に月の形 芭蕉               この改案については、各務支考著『追善之日記』に「此句の先昨日からちよつちよと秋も時雨哉といふ句なりけるを、いかにおもはれけむ、月の形にはなしかへ申されし」とある。元禄7年9月19日、大坂の其柳亭での夜会に臨んで、以前から用意してあった初案の句に手を加えたものと思われる。この句を発句として其柳、支考、酒堂らと八吟歌仙が巻かれた。「ばらつく」も「ちよつちよと」と同様俗語だが、晩秋のもの寂びた季節感が滲みでている。陰暦9月19日頃の次第に細くなる月の形なりにも、寂寥の感がある。なお、この擬態語は「はらつく」と濁らずに読むとの説もある(安東次男)。いずれにしても、擬態語が句の成否を決めた実例の一つだ。

  • 鳥兜山の夕冷えうしろより

    10月 19th, 2023

    鳥兜(とりかぶと)は寒さに強く、関東以南では標高1000メートル以上の高地に分布する。9月頃、茎の中ほどから頂端へ向かって青紫の花を咲きのぼらせる。

    長野の野辺山高原での作品。標高1400メートルほどのその辺りは、木々もカラマツやミズナラ、シラカバ、モミなど、平地とは異なる植生が見られた。秋の半ば頃だったが、日暮れともなると早くも冬の足音が聞こえてきそうな冷え冷えとした山気に包まれた。平成20年作。『春霙』所収。

  • 吾亦紅(われもこう)

    10月 19th, 2023

    バラ科の多年草。日当たりのよい草原に自生。8~10月、細い茎の先に暗紅色の団子のような花をつける。花弁はなく萼片が密集して穂状となったもの。

  • 錦木(にしきぎ)

    10月 19th, 2023

    ニシキギ科の落葉低木。日本各地の山野に自生するが、庭木や生垣にも植えられる。古い枝にコルク質の翼があるのが特徴。山桜に次いで紅葉が早く、赤黄色の種子を覗かせる実も鮮やか。

  • 大粒の星出揃ひて十日夜

    10月 18th, 2023

    十日夜(とおかんや)は主として東日本で陰暦10月10日に行われてきた収穫祭の行事。新暦では11月中旬。その日は、稲の収穫を感謝し翌年の豊穣を祈って、田の神に餅が献じられるほか、稲刈り後の藁を束ねて藁づとや藁鉄砲を作り、子供達が地面を叩きながら唱えごとをする行事が行われる。害獣であるモグラやネズミを追い払うのだともいう。

    掲句は十日夜という言葉から発想した作品。田圃が広がる妻の実家の辺りでは以前行われていたというが、私にはそうした行事の経験はない。既に一面刈田となった光景を思い浮かべながら、夜空を仰ぐと、大粒の星が爛々と光を放っていた。平成23年作。

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