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俳句の庭

  • 劇場が人解き放つ夜の落葉 津川絵理子

    2月 1st, 2024

    晩秋から冬にかけて、落葉樹はすべて葉を落とす。梢から離れた葉は、風に吹かれて舞い、あるいは音もなく地上に散り敷く。

    掲句は、映画 や演劇、オペラなどの催しが果てた後の劇場前の情景を詠んだもの。催しが終わり、演劇などの余韻を胸に宿しながら、解き放たれたように帰宅を急ぐ観客たち。折からの街路樹の落葉が、彼らに降りかかる。「劇場が人解き放つ」と、劇場を主語にして表現したところが、晩秋初冬の夜の都会の雰囲気を彷彿させる。『俳句』2024年2月号。

  • 霜柱

    2月 1st, 2024

    寒い冬の夜などに、毛細管現象によって地上へ上昇してきた地中
    の水分が、地表のすぐ下で凍るもの。直径2~3ミリの氷柱が束
    になって上方へ伸び、土を押し上げる。長さは5~20センチほどになる。農作物を枯らしたり、庭を荒らしたりする。

  • 冬の夜

    2月 1st, 2024

    寒さの厳しい冬の夜。草木は枯れ、人も獣も動きをひそめる。さえざえと空気が澄んで、星や月も美しく光る。外から帰って灯火を囲む団欒のひと時に心身が温まる。寒さを強調する場合は「寒夜(かんや)」ともいう。

  • 月光を傷つけて割る寒卵 中村正幸

    1月 31st, 2024

    「寒卵」は寒中に鶏が産んだ卵のこと。他の季節の卵より滋養が高く貯蔵が利くので、好まれる。

    掲句は「寒卵」を月光の中で割るときの感覚に焦点を絞って表現した作品。といっても、実際に月光の中で卵を割ったというより、厨房で「寒卵」を割ったときの感覚、或いは屋外で月光の中に佇んでいての想念を形にしたものだろう。「寒卵」の秘めている命の鋭さや冷たさ、固さ、脆さが、「月光を傷つけて」の措辞により見事に表現されている。『俳句』2024年2月号。

  • 枯菊

    1月 31st, 2024

    雨や霜、寒気にあたって枯れてしまった菊。秋の頃色鮮やかに咲き盛っていた菊が枯れていくのは、哀れ深い無惨な光景だ。火にくべるとほのかな香りが立つ。 

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