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俳句の庭

  • 猫柳

    3月 9th, 2024

    ヤナギ科の落葉低木。日当たりのよい山間部の渓流沿いや川べりなどに自生するほか、観賞用にも植栽される。早春の頃、葉より早く、ふわふわした銀白色の毛で覆われた大形の花穂を上向きにつける。この花穂がネコの尻尾を思わせることからこの名がある。真っ先に春の訪れを告げる植物の一つ。

  • 祝宴のはじめ小鉢の桜蝦

    3月 8th, 2024

    「桜蝦(さくらえび)」は相模湾・駿河湾で獲れる深海性の小海老。透明で桜色をしていることからこの名がある。旬の時季に生食するほか、干海老にすることが多い。

    掲句は宴会料理に出た一鉢の「桜蝦」の美しい紅に、お祝いの気分を見出しての作品。といっても、これまで数知れないほどの宴席を経験してきたため、誰の祝いの席だったか、今となっては思い出せないのだが・・・。春は人事異動の季節で、栄転や昇進にともなう歓迎会も多い。俗世間の行事であるそうした宴会は句の素材や対象にはなりにくいが、この時は宴席にあっても、俳人としての目を失わなかったと見える。平成23年作。

  • つるし雛

    3月 8th, 2024

    江戸時代後期から伝わり、女の子の初節句に無病息災や良縁を祈願して雛壇の両脇に吊るしたもの。庶民が、雛壇の代りに、布の端切れで人形を作り、持ち寄って飾ったことが起源といわれる。伊豆稲取の「つるし飾り」、山形県酒田の「傘福」、福岡県柳川市の「さげもん」などがよく知られている。俳句では、「雛祭」の傍題。

  • 踊子草(おどりこそう)

    3月 8th, 2024

    日本原産のシソ科の多年草。路傍の半日陰や、やや湿り気のある林縁付近に自生する。晩春から初夏に鋸歯状の葉の基部に淡紅又は白色の花を数個ずつつける。笠をつけて人が踊っているように見えることから、この名がある。

    下の写真は踊子草と同属のヒメオドリコソウ。ヨーロッパ原産の帰化植物で、草の丈や葉・花の大きさとも踊子草の半分以下で小さい。

  • 落城のその後の月日水草生ふ

    3月 7th, 2024

    「水草(みくさ)生ふ」は、春になって水が温み、様々な水草が生えてくること。菱、河骨などの水生植物は、冬の間に茎や葉は枯れてしまうが、水底の根が冬を越し、春になると再び芽を出す。

    掲句は石神井公園内にある石神井城址での作品。室町時代中期の1477年、豊島氏は太田道灌から城を攻め落とされたため、城を捨てて逃亡したという。落城の際には、城主の娘の照姫が三宝寺池に身を投げたとも伝えられている。三宝寺池の辺に落城の事跡を刻んだ碑が残されていて、池には睡蓮が硬貨ほどの小さな葉を浮かべていた。落城から経過した五百年余の歳月を思い、幾多の武将たちのその後の運命を思い、春が動き始めた現前の水草に目を落とした。平成29年作。

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