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俳句の庭

  • 幹に巻く纜軋む春北風

    3月 10th, 2024

    春北風(はるならい)は、春になってから吹く冷たい北西風のこと。立春以降も一時的に西高東低の冬型の気圧配置に逆戻りし、北西風が吹き荒れることがある。季節の戻りを感じさせる風だ。

    掲句は元荒川の川べりを散策したときの作品。元荒川は元々は荒川の本流で、今は利根川水系に属している。その辺りは、俳人加藤楸邨が、かつて粕壁(現埼玉県春日部市)の教師時代に歩き回ったところでもあり、楸邨の事跡を求める意味合いもあった。川岸に係船杭などはなく、幹にボートをつないでいる纜(ともづな)が、折りからの強風に軋んでいた。平成25年作。

  • 淡雪(あわゆき)

    3月 10th, 2024

    春先にうっすら降って、すぐに消えてしまう雪のこと。春に降る雪は、地表の温度が高いため、降ってもたちまち消えてゆく。融けかかった雪の結晶は互いに密着しやすくなって、雪片が大きくなる(牡丹雪)。

  • 蚕豆(そらまめ)

    3月 10th, 2024

    地中海・カスピ海沿岸等を原産地とするマメ科の一、二年草。日本へは8世紀頃渡来。春に白や紫の花が咲いた後、莢(さや)が空に向かって直立する。莢の中には3~6粒のお多福の形の豆がある。初夏の頃、若い莢を収穫し、緑の豆を茹でて食べる。

  • 春霙降りはやみつつ山隠す 

    3月 9th, 2024

    「春霙」は春になってから降る霙(みぞれ)のこと。関東地方南部では、冬よりも春になってから雪が降ることが多く、それも水気の多い牡丹雪や霙に見舞われることが多い。

    掲句は前年2月に亡くなった飯田龍太を偲び、春の霙の彼方に消えてゆく山影を眺めていたときの作品。薄明るい空からとめどなく降ってくる霙を眺めていると、時間の観念がいつしか消え、茫漠たる空間にひとり取り残されたような錯覚を覚えた。飯田龍太には、平成2年4月から4年6月の『雲母』終刊まで同誌作品欄で選を受けた。当時は全くの初心者で、さして交わる機会もないまま終わってしまった。平成20年作。『春霙』所収。

  • 春の霙(みぞれ)

    3月 9th, 2024

    春に降る霙。それまで降っていた雨が霙に変わったり、水分の多い牡丹雪が途中で霙に変わることがある。芽吹き始めた草木に微かな音を立てて降る。冬と違い、陰鬱な印象はないが、心にしみてくる静けさがある。

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