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俳句の庭

  • 二日

    1月 4th, 2025

    一月二日のこと。現在では元日から開店する店も多いが、以前は二日が仕事始めの吉日とされ、初荷、初湯、掃初、書初などが行事として行われてきた。元日ひっそりしていた街全体が、特に商店街が活気づいてくる。家族とゆっくり過ごす元日に対し、世の中が動き始める日。

  • 龍太の句を拾う(15)

    1月 2nd, 2025

    鰯雲浮子また水をよろこべり 龍太

    「雲母」昭和63年10月号より。

    「鰯雲」は鰯の群れのように空に広がる雲。天候の悪化の前兆といわれる。台風や移動性低気圧が近づく秋によく見られ、秋の季語。「浮子」は、当たりを知るために、また餌を所定の深さに置くために釣り糸につける浮標のこと。アバ、ウキ、フシなどと読むが、ここではウキと読みたい。

    釣り好きだった龍太には                    釣りあげし鮠に水の香初しぐれ 龍太                      など釣り絡みの佳句があるが、掲句も釣りの醍醐味を満喫している作者の姿が彷彿する作品だ。川に浮かべている「浮子」も、魚たちや作者の足と同様水をよろこんでいる。既に夏の炎暑は去り、頭上を鰯雲が流れ、爽やかな秋の好季節を迎えている。自然と一体になった作者の釣りの在りようが浮かんでくる。

    句集には収められていないが、龍太の子息飯田秀實氏が龍太20句選の中に選んでいる。

  • 淑気(しゅくき)

    1月 2nd, 2025

    新年の天地に満ちる清らかで厳かな気配のこと。めでたい気配が四方に漂う新春らしい気分を言う。新しい年を迎え、見馴れ聞き慣れた日常の風景の中にもどことなく瑞祥の気が感じられる。

  • 福袋

    1月 2nd, 2025

    「初売」(新年)の傍題。「初売」は新年初めての商いのことで、昔は元日は休んだが、今は元日の午前中から開店する店が多い。百貨店などではこの一年の繁盛を願い、「福袋」などを用意して客を呼び込む。年始の風物詩となっている。

  • 龍太の句を拾う(14)

    1月 1st, 2025

    秋の蟬生死草木と異ならず 龍太

    「雲母」昭和63年9月号に発表された作品。

    「秋の蟬」は立秋を過ぎて鳴く蝉のこと。8月中・下旬の頃の蝉の鳴き声にはまだまだ力強さがあるが、日が経つにつれて油蝉に替わって蜩や法師蝉が鳴き始め、秋も深まるにつれて数が減り、声も弱々しくなっていく。

    掲句は蝉という生き物のもつ草木に近い在りようを「生死草木と異ならず」と表現した。蝉に、動物のもつ生々しさよりも、草木に近い印象を持っているのは、私だけではないだろう。例えば蟷螂に捕らえられて喰われるときの蝉は、自らの生死に無関心なあっけらかんとした姿で蟷螂に喰われてしまう。草木から栄養をもらい、草木の精のような存在としてこの世に短い生涯を送る。そのような蟬というものの本質を、この句は掴んでいるように思う。

    句集には収められなかったが、発想の独自性という点で捨てがたい作品だ。既存の句集に収められている                     碧空のひかりを収め秋の蟬 龍太                       など4句と比べても、遜色ない出来と思われる。

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