日本原産のラン科の多年草。関東以西の日当たりの良い斜面、湿り気のある岩場、林の縁などに自生するほか、観賞用に庭や公園に植えられる。初夏の頃、細長い花びらを持つ赤紫色の花を咲かせる。単に「蘭」といえば秋の季語。

日本原産のラン科の多年草。関東以西の日当たりの良い斜面、湿り気のある岩場、林の縁などに自生するほか、観賞用に庭や公園に植えられる。初夏の頃、細長い花びらを持つ赤紫色の花を咲かせる。単に「蘭」といえば秋の季語。

「蒿雀(あおじ)」は、ホオジロ科の小鳥。「青鵐」とも表記する。日本国内を季節ごとに移動する漂鳥(ひょうちょう)で、夏の繁殖期には本州中部以北や北海道の林に棲む。背は緑褐色、腹は黄色で黒い斑点がある。
掲句は、八ヶ岳東麓の野辺山高原での作。山の天気は変化が激しく、晴れていたかと思うと、たちまち雲が群がって雨を降らせたりする。その時は、雑木林を日照雨(そばえ)が過ぎていった後、青鵐のゆっくりとしたテンポの澄んだ声が、白樺や水楢の梢から聞こえてきた。雨に濡れた幹が、夕日を受けて照り輝いていた。なお、日照雨は、晴れているのに雨が降る天気雨のこと。平成19年作。『春霙』所収。
秋深き木彫の線裾に消ゆ 直人
「秋深し」は、秋の深まる頃をいう。紅葉が見頃になり、冷ややかな大気の中で寂寥感が深まる頃である。
掲句には、「法隆寺百済観音その他(六句)」との前書きがある。 法隆寺の百済観音は、クスノキの一木造りで、人の身丈を越える長身とアルカイク・スマイルが特徴。掲句はその仏像の木彫の線に目をとめての作品。作者は、その流れるような衣紋の線刻を、「木彫の線裾に消ゆ」と繊細に表現した。写実に徹した作品だが、秋が深まる頃の季感が一句全体にゆきわたっている。昭和38年作。『帰路』所収。
陽暦五月(陰暦四月)の頃。「初夏」の別称。「孟夏(もうか)」ともいう。暑さがまだ厳しくなく、空が晴れ渡る爽やかな季節である。漢語特有の引き締まった響きがある。

日本原産のヤナギ科の落葉高木。北海道南部から四国にかけての山地や丘陵地に自生する。春、葉が出る前に銀鼠色の毛に覆われた大きな花穂を上向きにつける。「山猫柳」ともいう。なお、歳時記には掲載されていない。「柳の花」として詠むこともできるだろう。
