「花万朶(はなばんだ)」は花の傍題。「朶」は垂れ下がった枝の意。 多くの花の枝又は多くの花のこと。人を覆い尽くすような満目の花が思い浮かぶ言葉。
掲句は、花冷えの朝、近くの疎水べりの桜に沿って歩いたときの作品。八重桜や彼岸桜も交っているがほとんどが染井吉野で、一斉に花期を迎える頃は見ごたえがある。どこまでも桜並木が続くので、知らず知らずのうちに遠くまで来てしまうこともある。近年はどの桜も老木になり、樹勢の衰えは隠せないのだが・・・。令和5年作。
「花万朶(はなばんだ)」は花の傍題。「朶」は垂れ下がった枝の意。 多くの花の枝又は多くの花のこと。人を覆い尽くすような満目の花が思い浮かぶ言葉。
掲句は、花冷えの朝、近くの疎水べりの桜に沿って歩いたときの作品。八重桜や彼岸桜も交っているがほとんどが染井吉野で、一斉に花期を迎える頃は見ごたえがある。どこまでも桜並木が続くので、知らず知らずのうちに遠くまで来てしまうこともある。近年はどの桜も老木になり、樹勢の衰えは隠せないのだが・・・。令和5年作。
桑は、クワ科クワ属の落葉高木。日本各地の山地に自生し、また、養蚕のために広く栽培される。自生しているものは、高さ10~15メートルにもなる。春、新芽を出し早々と葉を茂らせる。雌雄異株で開花は4月頃。7月頃に果実を実らせる。「木の芽」の傍題。


アブラナ科の越年草。北関東を中心に春に収穫する青菜として栽培されてきた。秋に苗を植え付け、伸びた主茎を切り取った後、わき芽を搔(か)き取って収穫する。この作業が名前の由来といわれる。あくが少なく歯ごたえがよい。地域により、芯切菜、のらぼう菜など様々な呼び方がある。全国区の野菜ではないので歳時記には掲載されていない。春の菜類の総称である「春菜」として詠むこともできるだろう。

ナイターは夜間に行う野球の試合のこと。プロ野球でナイターの試合が組まれるのは4月から10月にかけてだが、季語としてのナイターは、納涼の気分を帯びての夏の夜の試合観戦のこと。
ナイターやツキのはじめのはたゝ神 秋櫻子 秋櫻子が1960年代に出した句集『晩華』に収められている一句。歳時記にはこの句を嚆矢として9句が掲載されている。日本のプロ野球の初のナイター開催は1948年8月の巨人対中日の試合であるから、それから10余年を経て俳句に詠まれるようになったということだろう。
ナイターの強力な照明の中、家族や知人と観覧席で生ビールを啜りながら野球観戦するのは、納涼の愉しみの一つだが、歳時記の例句を見る限り、これといった作品は作られていないようだ。ナイターのもつ余りにも人工的な雰囲気の故だろうか。
「風花(かざはな)」は冬の青空に舞う雪のこと。雪雲が日本列島を縦断する山岳地帯に堰き止められて日本海側に雪が降るとき、太平洋側では「風花」が舞う。「風花」のことを、上州では「吹越(ふつこし)」と称する。加藤楸邨(しゅうそん)はこの語を好み、 吹越に大きな耳の兎かな 楸邨 などの句を作っているほか、昭和51年刊行の句集の題(『吹越』)にもしている。
歳時記には「吹越」は「風花」の傍題として出ている。歳時記に掲載されるようになったのは、昭和50年代以降だろう。一地方の方言が、佳句を得て多くの人に認知されるようになった例といえる。美しく儚い印象がある「風花」と比べて、空っ風の吹く上州の風土が色濃く表れている言葉だ。手元の歳時記の例句は、 吹越に翔ぶや風の子川烏 星眠 の一句のみだが、今後使ってみたい季語である。