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俳句の庭

  • 稲舂虫(いねつきむし)

    8月 28th, 2025

    「精霊ばった」のこと。「米搗(こめつき)ばった」ともいう。後脚を屈伸して体を上下させる動作が稲を舂(つ)く様に似ていることからこの名がある。雄は雌に比べて小さく細長い。体色は緑色又は灰褐色。本州以南に生息する。古くから親しまれた呼び名で、江戸時代の歳時記にも掲載されているが、作例は少ない。

  • 塩で喰ふ龍馬の国の初鰹 矢野景一

    8月 27th, 2025

    初鰹(はつがつお)は、春から初夏にかけて、黒潮に乗って南の海から日本の太平洋沿岸を北上する鰹のこと。かつては、若葉の頃伊豆、房総沖で獲れる鰹が江戸っ子に珍重された。高知県で初鰹が獲れるのは、それより少し早い3~5月頃。

    掲句は旅先で初鰹を食べながら、今、「龍馬の国」に来ていることを改めて思っているとの句意。下駄の歯ほどの厚みに切った鰹のタタキを粗塩をつけて食べる「塩たたき」は高知独特の食べ方で、薬味を一切使わないのが一般的という。作者はその素朴な食べ方に、この地が坂本龍馬の生国であることを思い起こし、懐かしさを感じているのだ。『俳句』2025年9月号。

  • 疣鯛(いぼだい)

    8月 27th, 2025

    スズキ目イボダイ科の硬骨魚。鰓蓋の上の斑紋をいぼに見立ててこの名がある。地域によって呼び名が多数あり、関東ではエボダイ、関西でシズ、九州でモチウオなどと呼ばれる。日本近海に広く生息し、昼は海底で眠り、夜間は海面近くまで浮上する。脂ののる夏が旬。

  • 椨の実

    8月 27th, 2025

    椨(たぶ)はクスノキ科タブノキ属の常緑高木。霊が宿る木とされていたことから「霊(たま)の木」と呼ばれ、それが次第に「たぶのき」に変化していったとされる。暖地の沿海地に多く自生する。初夏の頃淡黄緑の小花が咲き、初秋の頃球形の実が黒紫色に熟す。

  • 胡瓜捥ぐ家族のやうな不揃ひを 西山睦

    8月 26th, 2025

    「胡瓜(きゅうり)」はウリ科の一年草であり、古くから栽培されている夏野菜の一つ。歯応えのある食感とすっきりとした味わいがある。

    掲句は庭や菜園で育てている胡瓜を捥いでいるところだろう。夏の収穫期には、毎朝、その日食べる分を捥ぎに出る。といっても、スーパーに並んでいるような行儀のよい胡瓜ばかりとは限らない。中には大きく曲がったのや、時季を逸して黄ばんだのもあるのだ。その不揃いな胡瓜を「家族のような」と形容したところに、胡瓜の不揃いを肯定する作者の広やかな心と、穏やかな日常が見えるようだ。『俳句』2025年9月。

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