烏野豌豆(からすのえんどう)はソラマメ属の蔓性の一年草又は越年草。標準和名は「矢筈豌豆(やはずえんどう)」。本州以南の全国の平地や山沿いの野原、道端、土手などに自生する。春から初夏に蝶形で紅紫色の花を咲かせた後、サヤエンドウを小さくしたような平たい莢(さや)がつく。熟すると黒くなり、晴天の日に裂けて種子を飛ばす。なお、歳時記には掲載されていない。

エビ目ワタリガニ科の甲殻類。漢字表記では「蝤蛑」。一般にワタリガニと呼ばれる。夏場は浅場で生活し、秋になると深場に移動、冬には砂に潜り冬眠する。体形は菱形に近くはさみが大きい。第四脚がオール状のために泳げる。産卵期の春から初夏が旬。

「川渡御(かわとぎょ)」は「天満祭(大阪の天満宮の夏祭)」の傍題として歳時記に出ているが、一般的には祭の神事の一つで、厄を祓い五穀豊穣等を祈願して神輿(みこし)を川に入れる行事のこと。全国各地の夏祭で行われており、「天満祭」に関連する季語として扱っている現状は、改めてはどうかと思う。
掲句は、秩父で毎年7月19、20日に行われる川瀬祭りを詠んだ作品。大祭の日には、神社神輿が荒川の中へと入る神輿洗いの儀式が行われる。川の水深が増すにつれて、神輿衆のうち前列の男たちが「づづと」崩れたという。この擬態語は、句にダイナミックな臨場感をもたらす絶妙の措辞。たった一語が句に命を吹き込むことを、改めて認識させられる。『俳句』2025年9月号。
「鉾祭(ほこまつり)」は祇園祭のことで、日本の三大祭の一つ。山鉾30数基が洛中を巡行する。「山鉾」「鉾立」「鉾町」「鉾の稚児」など関連季語は多い。
掲句は祇園祭を詠んだ作品。といっても、祭の細部は省略して、山鉾が巡行する都大路の果てに起ち上る雲に焦点を当てた。カメラでいえば、望遠レンズで洛中・洛外の大景を一枚に収めたような一句。鬱勃と湧き上がる雲に、祭の頃の季節感が感じられる。「鉾」だけでは厳密にいえば季語にならないが、読者に十分に句意が通じる作品である。『俳句』2025年9月号。
鯵(あじ)は春から夏にかけて産卵をし、その後栄養を十分取るので、秋の鯵は脂が乗って美味しくなる。単に「鯵」と言えば夏の季語。なお、北海道で「あきあじ」と言えば鮭のことで、「秋味」と表記する。
