梅雨どきの空のこと。空全体が灰色をした低く分厚い雲に覆われる。梅雨前線が日本列島の近くに停滞することによる。冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合い、その境目に雨雲の帯ができ、同じ場所に残り続ける。

梅雨どきの空のこと。空全体が灰色をした低く分厚い雲に覆われる。梅雨前線が日本列島の近くに停滞することによる。冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合い、その境目に雨雲の帯ができ、同じ場所に残り続ける。

日本や東アジア原産のカヤツリグサ科スゲ属の多年草。お御輿(みこし)のような形の穂をつけることからこの名がある。本州の北部~中部の湿った草地、田の畔などに自生する。春や秋頃にかけて緑色又は茶色の小さな花(小穂)をつける。なお、歳時記には掲載されていない。

「虎杖(いたどり)」はタデ科の多年草。山野に自生する。春先、赤味を帯びた新芽が出る。新芽や茎は酸味があり、生食や和え物にする。
掲句は、久し振りに故郷の土佐に帰郷して、友らと旧交を温めながら、野に萌え出た虎杖を噛んでいる場面を詠んだもの。同郷の人と故郷の野に遊んで、身も心も解き放たれたような気分がよく表れている。故郷に定住している人も、離郷した人も、そこでは誰憚ることなく故郷の土地訛りで話す。何気なくそこらに生えた虎杖の新芽を噛むと、その酸味は、かつてそれを折って食べた幼少期を思い起こさせるのだろう。『俳句』2026年6月号。
アサガオ、ヒマワリ、コスモスなど夏から秋にかけて咲く草花の種を蒔くこと。花が咲く姿を想像しながら、小さな種を蒔いて土を被せる。草花の種を蒔く時期には春蒔きと秋蒔きがあるが、俳句で「花種蒔く」といえば春に蒔く作業をいう。なお、俳句で単に「種蒔(たねまき)」といえば稲の籾(もみ)をまく農作業を指す。

「卒業」は学業の課程を終えて学校を去ること。幼稚園から大学まで、それぞれの段階で卒業がある。日本の卒業式は3月に行われることが多く、春の季語。
掲句から、学校玄関に児童・生徒の下駄箱がある小中学校の卒業式を思い浮かべた。その日卒業して去っていく子供たち一人一人の下駄箱が、空っぽの「千の闇」となって残される。卒業生たちが学校を去った後の、残された人の空虚感は、鳥が巣立った後の古巣のようなものか。特に教える側にいた人たちは、教え子が無事に巣立った喜びとともに、心にぽっかり穴が開いたような寂しさを感じることだろう。『俳句』2026年6月号。