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俳句の庭

  • 廣瀬直人の一句(51)

    6月 1st, 2026

    秋冷の道いつぱいに蔵の影 直人

    「秋冷(しゅうれい)」は秋も終わりに近づき、肌に触れる物や空気をひんやりと感じること。「冷やか」の傍題だが、「秋冷」と「冷やか」では、和語と漢語による言葉の質感の違いがある。

    掲句は、果樹農家が点在している作者の在所(山梨県旧一宮町)を詠んだ作品だろう。一戸一戸に蔵があり、日が傾く頃その蔵の影が道いっぱいに覆っているという。情を抑えて描写に徹した句柄だが、「秋冷の」との漢語の硬いひびきが一句を引き締め、農村地帯でよく目にする光景を印象的なものにしている。季節感が風景のすみずみにゆきわたっている。昭和46年作。『帰路』所収。

  • 狐薊の絮

    5月 31st, 2026

    「狐薊(きつねあざみ)」はキク科の一年草で、本州以南の野や道端に自生する。晩春の頃、薊(あざみ)に似た薄紫色の花をつけ、5、6月にはタンポポのようなふわふわとした絮(わた)となる。風で遠くへ種を運ぶための綿毛である。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 月涼し

    5月 31st, 2026

    昼間の暑さが収まった後、煌々と照る月や澄んだ夜空に心地よい涼しさを覚えること。一日の暑さが去った後の束の間の安堵感である。「夏の月」の傍題。

  • 地のほてり朝まで冷めず原爆忌

    5月 31st, 2026

    「原爆忌」は、8月6日に広島市に、続いて同月9日に長崎市に原爆が投下された日。それぞれ「広島忌」「長崎忌」などともいう。原子爆弾の犠牲者を追悼し、平和を祈る。

    掲句は、極暑の日々の中を巡って来る原爆忌を詠んだ作品。暦の上では立秋の前後とはいえ、原爆忌の頃はまだまだ太陽は衰えを見せない。昼間日差しに熱せられた地面の火照りは翌朝になっても冷めず、近くの公園では朝早くから蝉が盛んに鳴いた。原爆が投下された当日の広島や長崎も、こんな極暑の最中だったのだろう。平成18年作。『春霙』所収。

  • ガイラルディア

    5月 30th, 2026

    アメリカ原産のキク科の一年草又は多年草。明治時代に日本に導入され、花壇などで栽培されている。品種によっては野生化しているものもある。和名は「天人菊」。夏から秋にかけて、赤や黄色、オレンジなどの花を咲かせる。なお、歳時記には掲載されていない。

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