花が密集して房のように垂れる様をいう。俳句で花といえば桜のことであり、房状に咲き盛る桜の絢爛たる様や、八重桜のぼってりとした花房が思い浮かぶ。「花」の傍題。

花が密集して房のように垂れる様をいう。俳句で花といえば桜のことであり、房状に咲き盛る桜の絢爛たる様や、八重桜のぼってりとした花房が思い浮かぶ。「花」の傍題。

「梅」は、中国原産のサクラ属バラ科の落葉小高木又は落葉高木。日本の各地で広く栽培される。早春の頃、葉に先立って白い花が開く。
掲句には、「偕楽園」との前書きがある。偕楽園は日本三名園の一つで、梅の名所。作者も梅見に集まった客の一人として、咲き盛る梅の白さを愛でているのだ。とはいえ、作者の目は梅だけでなく、梅を見に集まった人々にも注がれている。梅を見に多くの人々が集まる今の世を肯定する思いが、そこにはあるだろう。人の目に汚されない梅の白さが印象的な作品だ。『文藝春秋』2026年5月号。
ヨーロッパ、北アフリカ原産のシソ科の多年草。ハーブの一種で、匍匐性がある。園芸用やグランドカバーとして日本に持ち込まれた。別名「クリーピングタイム」「ワイルドタイム」。夏、淡い紅紫、ピンク、白色の小花を多数咲かせる。近縁種である日本在来の「伊吹麝香草」の花期が5~8月であるのに対して、「洋種伊吹麝香草」の花期は4~7月とやや早い。なお、歳時記には掲載されていない。

草苺(くさいちご)は、バラ科キイチゴ属の落葉小低木。4月から5月にかけて、山野や道端に白い5弁の花を咲かせる。「苺の花」の傍題。なお、初夏に赤い大きな果実が生り、他のキイチゴ属の植物と同様に食用になる。単に「草苺」といえばこの果実を指し、夏の季語。

しみじみと大樹ありけり更衣 直人
「更衣(ころもがえ)」は、夏になって冬服から夏服へ衣類を替えること。旧暦4月1日に宮中で行われていた儀式に由来する。秋(10月〜11月頃)の冬物への衣替えは「後の更衣」という。
掲句は、夏服に替えて身も心も軽くなり、身近にある大樹に改めて親しみを感じているとの句意。「しみじみ」は深く心に沁みて感ずることで、作者と大樹との深い縁を感じさせる措辞。故郷の地に根づき、作者と風土をともにする大樹への共感の思いが感じられる。昭和56年作。『朝の川』所収。