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俳句の庭

  • 踊り出て影より黒き烏蝶 西村和子

    8月 13th, 2025

    単に「蝶」といえば春の季語だが、「揚羽蝶」は夏に見かけることが多いので夏季に分類されている。その大ぶりな美しさは、夏の季節にふさわしい。黒地に緑の光沢をもつ「烏揚羽(からすあげは)」「烏蝶(からすちょう)」も「揚羽蝶」の一種。

    「烏蝶」は、山路を歩いているときなどに、深い森の奥から不意に眼前に現れる。掲句では、木陰から日向に躍り出た「烏蝶」が生き生きと描写されている。「影より黒き」との措辞からは、真夏の日の光が真上からさんさんと降り注ぐ様も想像される。『俳壇』2025年9月号。

  • 秋近し

    8月 13th, 2025

    夏も終わりに近づく頃、相変わらず続く暑さの中にも、日差しや空の色、木々のそよぎなどに、ふと秋の近いことを感じることがある。その感受には、秋の訪れを心待ちにする気持が含まれている。「秋隣」ともいう。

  • 藪虱(やぶじらみ)

    8月 13th, 2025

    自生するセリ科の越年草。山野の湿地や林縁、道端などに自生する。夏、複散形花序を出し、白い五弁の花を咲かせる。花のあとの果実は、褐色で卵形の楕円形。毛が密生して人の衣服や犬などの動物によくつく。いわゆる「引っ付き虫」の仲間。

  • 凡愚とは押し合うてゐる青トマト

    8月 12th, 2025

    「トマト」は南米ペルー原産のナス科の野菜。夏野菜の一つ。真っ赤に熟した実はみずみずしく、ほどよい酸味とほのかな甘味がある。

    掲句は畑で熟れる前の青いトマトを目にしての作品。実と実が押し合っている充実感は盛夏そのものの感があった。「凡愚」は、

    ふるさとの山は愚かや粉雪の中 龍太

    などの句中の「愚」の一語が心にあって浮かんできた言葉。「青トマト」のもつ強健な爽やかさが、この言葉から感じられれば幸いだ。平成30年作。

  • 万年草(まんねんぐさ)

    8月 12th, 2025

    ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草。北半球や南アフリカの温帯から暖帯に分布し、日本では本州の山地、高山などに自生する。もともとの自生種であるコモチマンネングサ、タイトゴメ、タカネマンネングサなどのほか、外来植物のツルマンネングサやメキシコマンネングサなどその種類は多い。いずれの種も葉や茎が多肉質であるところが特徴である。茎は紅紫色を帯び横に這う。花茎は根元から枝分かれし、6月頃花茎の頂点に黄色い小花をつける。

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