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俳句の庭

  • 種茄子(たねなす)

    10月 30th, 2025

    翌年の栽培のために種子を採取する目的で、晩秋まで収穫せずに畑に残しておかれた茄子(なす)の実のこと。肥大し、紫褐色に熟れ、その肌には罅や傷がついている。単に「茄子」といえば夏の季語。

  • 橡の実の落ちて橡の木ねむりけり 長田群青

    10月 30th, 2025

    「橡の実」はトチノキの実。丸く厚い殻の中に栗に似た種がある。トチモチなどにして食される。トチノキは、全国の低山の渓流沿いに分布する落葉樹。公園などにも植えられる。

    掲句は実を落とした晩秋のトチノキを詠んだ作品。秋深む頃、山中のトチノキが熟れた実を落とす。実が落ちた後、雑木山は再び静まり返る。トチノキも一仕事を終えたあと、眠りに就いたようだ。今日は風もなく、雑木山は一歩ずつ冬に近づいて行く。『俳句界』2025年11月号。

  • 食パンのやうな白さの新社員 千野千佳

    10月 29th, 2025

    「新社員」は新しく企業に入社した社員のこと。近年は転職する人も多いが、学校を卒業したばかりの、希望と不安を抱いて入社してくる初々しい「新社員」を思い浮かべたい。

    掲句は4月頃街中で見かける「新社員」を詠んだ作品。「新社員」を「食パンのやうな白さ」と形容したところに、現代の若者に向けられた作者の辛口の眼が感じられる。ふわふわした白い食パンは、確かに見た目清潔感があり食べやすいが、全粒粉の小麦色をしたパンに比べて栄養価は乏しく食べ応えがない。そんな若者観を秘めた形容だと思う。おそらくは見たまま感じたままの即吟だろうが、この形容には作者の批評眼と鮮度のいい感性が活きている。『俳句』2025年11月号。

  • 秋袷

    10月 29th, 2025

    秋に着る袷(あわせ)。秋の涼しさや肌寒さを感じる時期に着用される。夏に着る単衣(ひとえ)とは異なり、表布に裏地をつけて仕立てるほか、色合いや生地も秋らしいものになる。

  • 露寒(つゆざむ)

    10月 29th, 2025

    晩秋の頃、露が霜に変わろうとする頃の寒さをいう。10月下旬から11月になると、露の降りる日の中に霜の降りる日も混じるようになる。この時期の露の冷え冷えとしたきらめきは、冬が近づく気配を感じさせるものである。

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