「蝉生る(せみうまる)」は蝉が羽化すること。蝉の幼虫は、数年間地中に棲んだあと地上に出て羽化する。背中を割って殻から抜け出た蝉は、最初、透き通るような萌黄色をしている。
掲句は、夏も終わりの頃、散歩の際に羽化したばかりの蝉の青みを帯びた白い姿を見かけての作品。まだ明けきらぬ暁、東の空にほっそりと月が残っていた。月光が幹に止まっている蝉に届いていた訳ではないが、生まれたばかりの蝉が体にまとう微光と月明りに、同質なものを感じた。秋も近い頃の澄んだ月明かりだった。令和7年作。
「蝉生る(せみうまる)」は蝉が羽化すること。蝉の幼虫は、数年間地中に棲んだあと地上に出て羽化する。背中を割って殻から抜け出た蝉は、最初、透き通るような萌黄色をしている。
掲句は、夏も終わりの頃、散歩の際に羽化したばかりの蝉の青みを帯びた白い姿を見かけての作品。まだ明けきらぬ暁、東の空にほっそりと月が残っていた。月光が幹に止まっている蝉に届いていた訳ではないが、生まれたばかりの蝉が体にまとう微光と月明りに、同質なものを感じた。秋も近い頃の澄んだ月明かりだった。令和7年作。

近隣の禅寺で撮った一枚。境内に植えてある獅子柚子(ししゆず)の実が布袋様(ほていさま)の膝の上に置かれていた。獅子柚子は鬼柚子とも呼ばれ、柚子の仲間ではなく、ザボンや文旦、晩白柚と同じブンタン類に属する。見た目が大きく、ごつごつしているので、悪魔を退治する縁起物とされている。
その年の冬の初めての時雨(しぐれ)。時雨は、晩秋から初冬にかけて降ったり止んだりするにわか雨全般を指し、そのうち晩秋に降るにわか雨を秋時雨、初冬に降るにわか雨を、単に時雨と称する。「初時雨」には、ものが枯れ急ぐ季節が到来した侘しさに、新たな季節を迎えた心の華やぎが交差する。「初空」「初富士」「初鰤」など「初」の一字を冠した季語共通の弾むような明るさには、四季の移ろいの中に生きる日本人の心情が投影しているようだ。

「秋時雨(あきしぐれ)」は秋も終わりの頃に、降ってはすぐに止む小雨や通り雨のこと。冬が近づき、朝晩の気温が下がる時期の雨であり、侘しさや静けさを感じさせる。
掲句は妹夫妻の山荘に泊まった時の作品。富士の東麓に当たる山中湖畔は晩秋初冬の雲の通り道なのだろう。その夜も天窓を濡らして雨が通り過ぎた。夜が更けるにつれて戸外はしんしんと冷えてきたが、暖炉の火を傍らに、湯気の立つ手料理をいただき、心豊かな時を過ごした。令和6年作。
フランス原産の洋梨の一種。洋梨はヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の樹木に実る果実の総称。日本には明治36年に導入されたが、一般に生食されるようになったのは1980年代以降。秋に収穫され、追熟させてから食する。なお、ラ・フランスは、現在、日本でしか栽培されていないという。「梨」(秋季)の傍題。
