コンテンツへスキップ
    • HOME
      • POST
      • PROFILE

俳句の庭

  • 月明の尾花の湿り手に握る

    9月 6th, 2025

    「尾花(おばな)」は「芒(すすき)」の花穂(かすい)のこと。動物の尾に似ているところからこの名がある。「芒」が葉、茎、花穂の全体を指すのに対し、「尾花」は花穂だけをさす。「芒」は夏から秋にかけて黄金色で箒状の花穂をつける。秋の深まりとともに、花穂は白っぽくなり、晩秋には綿毛をつけた種を風に飛ば す。

    掲句は晩秋の頃、夜明け前のまだ明るい月光の中で「尾花」を握ったことを句にしたもの。「尾花」の微かな湿りは、5年前の10月下旬に亡くなった母の手の感触を思い起こさせた。死に近い母の手の、最早握り返さない柔らかい感触は、終生忘れることはできない。令和6年作。

  • 古戦場跡へなだれて雑木の芽

    9月 5th, 2025

    「木の芽(このめ)」は春になって様々の樹木の芽が吹くこと。それぞれの木の名を冠して「柳の芽」「楓の芽」などという。広葉樹を主とした雑多な樹木の芽吹きが「雑木の芽」。

    掲句は、八国山の東の端の久米川古戦場跡を詠んだ作品。元弘3年、鎌倉幕府軍と新田義貞率いる反幕府軍が戦い、新田軍が勝利した。今は山麓の住宅地の小さな公園内に石碑が立っているのみで、かつての古戦場の面影をとどめるものは何もない。折から、櫟や欅など八国山の雑木がそれぞれの色合いで芽吹きの季節を迎えていた。令和7年作。

  • お花畑

    9月 5th, 2025

    高山の頂上付近や斜面などで、高山植物が群生している場所のこと。高山地帯では雪解けとともにチングルマやキンポウゲなどの高山植物が一斉に花開き、夏の登山者を和ませる。一般的な平地の「花畑」とは「お」の字の有無により区別する。単に「花畑」といえば、秋の草花が咲いている畑や、花壇などの人工的な庭園を指す(秋季)。

  • 白釣鐘柳(しろつりがねやなぎ)

    9月 5th, 2025

    北米原産のオオバコ科の多年草。「ペンステモン・ジギタリス」ともいう。日本には大正時代に園芸用に導入され、その後野生化しているものもある。初夏から夏にかけて、茎頂に総状花序を作り、桃色がかった白色の筒状の鐘形の花を咲かせる。歳時記には掲載されていない。なお、夏の季語になっている「ジギタリス」はヨーロッパ原産の多年草。

  • 南仏紀行(6)

    9月 4th, 2025

    フランスはワインの国である。私たちが旅したのは、コート・ダジュールからローヌ・アルプにかけての国土のほんの一部分に過ぎないが、旅中のワインを買う機会、飲む機会を通して、また、葡萄畑を散策するなどして僅かに触れることができたフランスワインの一端に触れてみたい。

    フランス国内にはシャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、アルザス、ロワール、ローヌなど多くの一級のワインの産地がある中で、プロヴァンスと言えばロゼワイン。上の写真は、最初に宿泊したニース近郊のホテルで、オーナーからもてなし用に頂いたもの。地元の生産者の名がラベルに大きく記されているのがいかにもフランスらしい。ロゼのサーモンピンクの淡い色合いは、地中海の明るいブルーとよく調和する。暑い最中を出歩いた後、私たちは食事をとりながら冷えたワインを楽しんだ。マティスの画風にも通じる軽快でフルーティなワインだった。

    ニース郊外のホテルに数日間滞在していて気付いたことだが、周辺の住人たちは、(特に週末の)夕刻になるとそれぞれの自宅のベランダや庭で、食事を楽しんでいた。南仏の夏の日暮れは遅く、夜10時を過ぎるまで日の暮れる気配がないのだが、そんな中いつまでも賑やかな話声が続く。その卓上には当然ロゼのボトルとワイングラスが置いてあるのだろう。ようやく涼しくなってきた風は潮の香と香しい花の香りを運び、南仏の夏のよろしさを実感させてくれる。ロゼワインは、屋外で草木の匂いを感じ、海を眺めながら楽しむものなのだろう。

    鷹の巣村ルシヨンでたまたま立ち寄ったとある店の光景。売り物のワインボトルの並ぶ向こうの窓に、プロヴァンスの田園風景がひらけていた。ここでは結局買わなかったが、ホテルに近い地元のスーパーで赤と白のワインを買い、一本のボトルを4人で3日かけて飲み終わるほどのペースで食事の時に飲んだ。安いワインでもコクのあるしっかりした味わいだった。

    プロヴァンスの葡萄畑。このほか鷹の巣村の石造りの家々の壁にも、観賞用に、或いは日除けを兼ねて、葡萄を這わせている光景を度々目にした。 地中海沿岸は、春から秋にかけて雨が少ないため病害を受けにくく、夏は日照に恵まれるなど葡萄栽培に適した気象条件であることを、改めて認識した。もっとも、近年ヨーロッパを襲う熱波が、葡萄栽培にどのような影響があるか、心配ではあるが・・・。

    プロヴァンスのホテルに滞在中の一日、私たちはワイナリー巡りをした。やや内陸部に位置し、ニースより暑さが厳しかったから、日の出の頃から車を走らせた。早朝だったため、ワイナリーの多くは門を閉ざしていたが、私たちはジゴンダス(Gigondas)村の店で赤ワインを買い、ボーム・ド・ヴニーズ村でマスカットワイン(白ワイン)を買うことができた。どちらの店でも、カウンターのところで地元のワインを試飲させてくれた。下の写真はその時買ったマスカットワイン(甘口)。ボトルのラベルに、ドメーヌ・デ・ベルナルダンとの生産者名が見える。ローカルな生産者の顔が見えるところが、地産地消のフランスらしいところ。

    甘口のマスカットワインは、食前酒として愉しんだ。日本で食前に飲む梅酒のように、その濃厚で芳醇な味わいは、少量でも満足できるものだった。後日飲んだ辛口のマスカットワインのフルーティーで爽やかな味わいも忘れ難い。暑さが厳しく、冷房の効いたホテルの室内で冷えたワインを飲みながら、旅中の英気を養った。

←前ページ
1 … 114 115 116 117 118 … 609
次ページ→

WordPress.com Blog.

 

コメントを読み込み中…
 

    • 登録 開始日
      • 俳句の庭
      • WordPress.com のアカウントをすでにお持ちですか ? 今すぐログイン
      • 俳句の庭
      • 登録 開始日
      • 登録
      • ログイン
      • このコンテンツを報告
      • サイトを Reader で表示
      • 購読管理
      • このバーを折りたたむ