「囀(さえずり)」は、春、ウグイスやメジロ、ホオジロなどの小鳥が繁殖期を迎えて求愛したり縄張りを主張したりして賑やかに鳴き交わす様をいう。
掲句は、八ヶ岳東麓滞在中の作品。標高1400メートルを越える地点なので、日雀や鷽、小瑠璃、赤腹など高原に棲む鳥たちが朝から賑やかに囀る。囀りの共演は、夜が明け白む頃から始まる。人間も、自ずから鳥の声で目覚めることになる。「天地(あめつち)とともに」は、自然の運行と一体になった鳥や人の営みを表現できたらと考えた。令和8年作。
「囀(さえずり)」は、春、ウグイスやメジロ、ホオジロなどの小鳥が繁殖期を迎えて求愛したり縄張りを主張したりして賑やかに鳴き交わす様をいう。
掲句は、八ヶ岳東麓滞在中の作品。標高1400メートルを越える地点なので、日雀や鷽、小瑠璃、赤腹など高原に棲む鳥たちが朝から賑やかに囀る。囀りの共演は、夜が明け白む頃から始まる。人間も、自ずから鳥の声で目覚めることになる。「天地(あめつち)とともに」は、自然の運行と一体になった鳥や人の営みを表現できたらと考えた。令和8年作。
「甲子雄忌(きねおき)」は俳人福田甲子雄(ふくだきねお)の忌日で、4月25日。2005年のこの日、78歳で亡くなった。句風は、重厚な風土性と格調の高さを特徴とした。
掲句は、久しぶりの雨が身辺の畑土深くまで浸みわたる様に、土臭く骨太の甲子雄の句風を思い起こしての一句。その日の雨は、お湿り程度のものではなく、からからに乾いた関東ローム層を潤すような降り方だった。甲子雄が遺した風土詠の数々の名句は、今でも色褪せることがない。令和8年作。
「桜鯛」は桜の咲く頃に産卵のため内海や沿岸に集まる真鯛のこと。体色が桜色に染まることからこの名がある。産卵に向けて栄養を蓄えているため脂がのり、一年の中で最も美味になる時季でもある。
掲句は、鮮魚売り場の厨房で鯛を捌いているところを見かけての作品。日頃の私の密かな愉しみの一つは、鮮魚売り場で魚を見て回ること。といっても、三枚に卸されたりして切り身になっているものは、既に食材と化しているから趣に欠ける。生きていたときの姿のまま店先に並べられている魚がいい。見かけると、鮮度を吟味しながら暫く立ち止まる。時には奥の厨房で、俎板を水で洗い流しながらお兄さんが魚を捌いていることもある。令和8年作。
「花ゑんど」は豌豆(えんどう)の花のこと。晩春の頃、赤紫や白、ピンク色の蝶のような形をした可憐な花を蔓の先に咲かせる。若い莢は絹莢、豆はグリーンピースとして食される。
掲句の対象は今年5歳になる孫。近隣に住んでいる年子の孫2人を近くの園バスの停留所まで送っていくのが日課である。上の男の子は、入園後しばらく泣きべそをかきながらの登園だったが、今ではすっかり慣れて、幼稚園が大好きなようである。道すがら、鉢植えの豌豆が花をつけていた。だが、以上のような作者に即した事実を離れて読んでもらえればと思っている。令和8年作。
「山桜」はバラ科の落葉高木。本州以南の全国の山地に自生する。白い花びらと、赤、茶、緑色の美しい新芽(若葉)が同時に開くのが特徴。花期はソメイヨシノより遅い。
掲句は、自宅からほど近いカルチャーパークの雑木林を散歩しての作品。普段は気にも留めない山桜も、花を咲かせると雑木の中でも特別な木になる。林中には、咲き盛っているのも、散りかかっているのもあった。朝の引き締まった大気の中に、散り急ぐともなく、ゆっくりと花びらが漂っていた。令和8年作。