スズキ目カマス科の魚。アカカマス(本かます)に対し、ヤマトカマスは身に水分が多いことから「水かます」とも呼ばれる。東京近辺では、標準和名のヤマトカマスより「水かます」の名称で流通することが多い。産卵後、秋に向けて小魚などのエサを大量に食べるが、この時期が漁獲のピーク。秋から冬にかけて市場に出回り、干物などとして親しまれる。なお、歳時記には掲載されていない。

スズキ目カマス科の魚。アカカマス(本かます)に対し、ヤマトカマスは身に水分が多いことから「水かます」とも呼ばれる。東京近辺では、標準和名のヤマトカマスより「水かます」の名称で流通することが多い。産卵後、秋に向けて小魚などのエサを大量に食べるが、この時期が漁獲のピーク。秋から冬にかけて市場に出回り、干物などとして親しまれる。なお、歳時記には掲載されていない。

静寂な秋の自然に包まれた旅宿や、秋ただ中のわが家のこと。賑やかな夏が過ぎ去り、秋を迎えた家々や宿は、落ち着いた風情の中にどこか物寂しさを漂わせている。わが家であっても、「家」という直接的な言葉を避け、あえて「宿」と表現することで、生活感を消し、秋の物寂しさや風情を引き出せることがある。

楢(なら)は、ブナ科コナラ属の落葉高木の総称で、ミズナラ、コナラなどがある。このうちミズナラは全国の比較的標高の高い山中に自生する。夏に紐状の花を咲かせ、秋には硬い卵形の実を結ぶ。コナラの実が細長くてほっそりしているのに対して、ミズナラの実は大きくてコロンと丸い。これらはクヌギの実と同様、「どんぐり」とも呼ばれる。「楢の実」の傍題。

牡嵩(おとこよもぎ)は東アジア等原産のキク科の多年草。実が小さく種子をつけないと思われたことからこの名がある。日本全土から朝鮮、中国、インドなどに広く分布し、日当たりのよい山地や野原などに普通に見られる。高さは50から1メートルくらい。秋(8月〜11月頃)に淡黄色の小さな花を咲かせる。単に「牡嵩」といえば「蓬」と同様春の季語になる。

「柿」も「栗」も日本の数少ない在来果樹の一つで、秋の実りを代表する果物。「柿」は秋に実が赤く熟すが、甘柿と渋柿がある。「栗」はトゲのある毬(いが)の中で実が育ち、秋に熟して地面に落ちる。
掲句は、柿と栗をそれぞれ「観世音」と「明王」に譬えて、秋の実りを前にした豊かな心持ちを表現した作品。「観世音」や「明王」にはそれぞれ仏像としての階層や序列があるが、そのような細かい詮索は抜きにして、この句では、「観世音」が慈悲深い存在であるのに対し、「明王」が忿怒相をもって人々を導く存在であることに留意すれば足りる。籠に盛られた果物の一方を「観世音」、他方を「明王」に譬えたところに、生き生きとしたウィットの働きが見える。「柿観世音」には熟した柿の恵みの色が思われ、また、「栗明王」といえば、トゲのついた毬のままの厳(いか)つい姿が彷彿とする。言葉を自在に駆使した才気あふれる一句。『俳句』2026年10月号。