
12月下旬のとある日の暮れぎわの富士山。関東地方の私の住まいから南西に位置し、夕暮はいわゆる影富士になる。時によって驚くほど大きく見えたり、小さく見えたりするのは、目の錯覚によるものだろうか。眼下には、灯ともし頃のわが町が広がる。

12月下旬のとある日の暮れぎわの富士山。関東地方の私の住まいから南西に位置し、夕暮はいわゆる影富士になる。時によって驚くほど大きく見えたり、小さく見えたりするのは、目の錯覚によるものだろうか。眼下には、灯ともし頃のわが町が広がる。
小川の底などに貼り付いて綿のようにできる氷。氷は、気温が下がり水が固体状になったもの。蝉の羽根のように薄いものを「蝉氷」、鏡のようにものの影を映すものを「氷面鏡」などというが、「綿氷」も氷の形状に応じた言い方の一つ。「氷」の傍題。

「古年(ふるとし)」は年明けに、去った前年を振り返ってさす言葉。一方、「新玉(あらたま)」は始まったばかりの年のこと。年の始め。
掲句は、去ったばかりの年も新たに迎えた年も、色彩に譬えればすずしろの白だという。すずしろ(清白)はアブラナ科の二年草で、大根の古名。春の七草の一つで、七草粥に入れる七草の中でも、俎板の上のその白さは印象的だ。その清潔な白は、旧年を送り、また、新たな年を迎えた作者の心境を映し出しているようだ。『俳句』2026年1月号。
寒中に鶏が産んだ卵。他の季節に産んだものより滋養に富み、貯蔵が利くとされ、昔から珍重されてきた。かつては冬場の貴重な栄養源として重宝された。

「栴檀(せんだん)」はインド、中国、東南アジア等原産のセンダン科の落葉高木で、古く中国から日本に伝来した。関東以西の海岸付近の暖地に自生するほか、庭園などに植えられている。別名「楝(おうち)」。秋に2センチほどの実が黄熟する。実は、冬に葉が落ちた後も梢に残っていることが多いが、春先までには鳥に食べられてしまう。「楝の実(おうちのみ)」、「金鈴子(きんれいし)」、「苦楝子(くれんし)」とも呼ばれる。
