イネ科オヒシバ属の多年草。日本全土の野原や路傍、空き地など、どこでも見られる。茎の先に放射状に緑色の穂状花序を出す。草質が強く簡単には切れないので、子供たちが茎と茎を絡ませて引き合う草相撲をして遊ぶことからこの名がある。和名は雄日芝(おひしば)、別名力草。

樟若葉は、諸々の木々の若葉の中でも、初夏の頃神社や公園で目を惹くものの一つだ。盛り上がる雲のような樹形がてらてらした新葉に覆われる様は、季節の生命力を思わせる。
掲句は2歳になる初孫の男の子を詠んだもの。孫の句は甘くなりがちで難しいとよく言われるので、「孫」と言わずに、「嬰(やや)」と一般的な表現にした。笑顔、悪戯をしている顔、泣きべそをかいている顔、叱られてしょげている顔、別れるときの寂しそうな顔と、家に遊びに来るたびに表情が豊かになってきた。令和5年作。
立秋(8月7、8日頃)の前の夏も終わりに近づく頃、暑さの中にも、空の色や一刷の白雲、風の感触、木々のそよぎ、月影などにふと秋の近いことを感じさせられることがある。酷暑や熱帯夜にあえいだ後だけに秋を待ちわびる心はひとしおだ。「秋隣」ともいう。



芒はイネ科の多年草。秋に穂を出すが、穂が出る前の青々と茂った芒のことを青芒という。芒は春に芽を出した後、夏には高さ1メートル以上になる。葉は剣のように細長く尖り、力強く、勢いがある。野や川原などで風に揺れている青芒は涼感をよぶ。

夏茱萸は晩春に花が咲き、初夏に実をつける。赤色に熟した実を口に入れるとほのかな甘みがある。太平洋側や四国の山地にごく普通に生えている落葉低木。
掲句は、初夏に実をつけた夏茱萸に、とどまらぬ月日の流れを感じてできた一句。昨年も一昨年も山歩きの途中で見つけては食べていた夏茱萸。季節が巡ってきて、その実が今年も熟れて食べ頃になっている。そのひそやかな紅色は、過ぎ去った月日のあれこれを思い起こさせる。令和5年作。