立春(2月4日頃)を過ぎて暦の上では春に入っているのに、実際の気候はまだ肌寒く、花の開花も遅れていて、春の実感が得られないこと。その人の住む土地が南国か北国か、また、都会か山国かなどによって、春の訪れ方も違い、感じ方・受け止め方は多様だ。

立春(2月4日頃)を過ぎて暦の上では春に入っているのに、実際の気候はまだ肌寒く、花の開花も遅れていて、春の実感が得られないこと。その人の住む土地が南国か北国か、また、都会か山国かなどによって、春の訪れ方も違い、感じ方・受け止め方は多様だ。

薄氷(うすごおり)は春先になって薄く張る氷のこと。春になっても、夜間の放射冷却で冷え込んだ朝などに、薄く氷が張ることがある。
掲句は、春まだ浅い頃、近くの疎水べりを歩いていての作品。夜明け前、東の空にはひと際明るい金星が爛々と光を放っていた。その光の粒を見ながら川べりを歩いた。立春を過ぎて川が凍ることは稀になったが、その夜の冷え込みのため、川の澱んでいるところなどは薄く氷が張っていた。令和5年作。
中南米原産のヒルガオ科の一年生作物。17世紀に中国・琉球を経て九州に伝来。関東以西の暖地に多く栽培される。紡錘形で紅紫色の塊根には独特の風味・甘味がある。焼いたり、煮たり、蒸かしたりして食する。なお、「焼芋」は冬の季語。

バラ科の落葉樹で、古く中国から漢方薬として伝来。早春の冷たい空気の中で香り高い五弁の花を開く。花は桜よりやや小ぶりで、八重もある。冬から春になる頃、花の殆どない野山に最初に咲き出し、人々の心を春へと誘う花として、古来より歌に詠まれてきた。白のほか薄紅、濃紅もあるが、俳句で「梅」といえば白梅のこと。

「麗(うらら)か」「麗けし」は、春の日が美しく輝きわたって、すべてのものが明朗に感ぜられる状態のこと。
スッポンやマムシを蒸し焼きにした後、丸ごと粉末にすると滋養強壮の効能があるとされる。掲句は、粉末になった「すつぽん」や「まむし」を前にした気分を句にしたもの。生身のままの姿では薄気味悪いこれらの爬虫類も、元の影も形もとどめない粉末になって作者の目の前にある。折から何の翳りもない春の陽光が庭先に降り注いでいる。『俳句界』2024年2月号。