すつぽんもまむしも粉にうららけし 西山睦

「麗(うらら)か」「麗けし」は、春の日が美しく輝きわたって、すべてのものが明朗に感ぜられる状態のこと。

スッポンやマムシを蒸し焼きにした後、丸ごと粉末にすると滋養強壮の効能があるとされる。掲句は、粉末になった「すつぽん」や「まむし」を前にした気分を句にしたもの。生身のままの姿では薄気味悪いこれらの爬虫類も、元の影も形もとどめない粉末になって作者の目の前にある。折から何の翳りもない春の陽光が庭先に降り注いでいる。『俳句界』2024年2月号。


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