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俳句の庭

  • 耳菜草(みみなぐさ)

    3月 3rd, 2026

    ナデシコ科の多年草。日本在来種のほか、ヨーロッパ原産の帰化植物オランダミミナグサがある。葉の形がネズミの耳に似ており、若葉が食用(菜)になることからこの名がつけられた。道ばた、畑などに自生し、晩春の頃五弁からなる白色の小花をつける。日本在来種のミミナグサは、現在では外来種のオランダミミナグサに圧倒され、道端などで見かけるのは主にオランダミミナグサの方である。

  • 唐辛子ぺかぺか乾く残暑かな 大川畑光詳

    3月 3rd, 2026

    「残暑」は立秋を過ぎた後の暑さ。8月中は残暑の日がつづくが、近年は10月になって残暑を感じることも多い。いったん涼しくなった後で、暑さがぶり返すこともある。

    掲句は軒下などに干してある唐辛子に残暑を感じての作品。その唐辛子が「ぺかぺか」乾いているという。「ぺかぺか」は特定の地方の方言ともいわれるが、乾燥した唐辛子の形容に用いたのは作者のオリジナルだろう。そういわれてみると、残暑の日差しを受けた唐辛子の艶やかな紅が目に浮かぶようだ。『俳句界』2026年3月号。

  • 赤花金縷梅(あかばなまんさく)

    3月 2nd, 2026

    金縷梅はマンサク科の落葉小高木。黄色い花が一般的だが、「赤花金縷梅」はその変種。まだ寒さの残る早春の頃、赤又は紫褐色の紐状の花を咲かせる。雑木林などに自生するほか、庭園などに植えられる。

  • 春の川

    3月 2nd, 2026

    冬の渇水期には水量が減っていた川は、春の訪れとともに雪解け水や春雨で水嵩が増し、明るい日差しを受けて水面を輝かせる。川辺では草が萌え柳が芽を吹き、川に棲む生きものたちの活動が活発になる。

  • 震へごと猫の子受くるたなごころ 辻美奈子

    3月 2nd, 2026

    「猫の子」は春に生まれた猫の仔のこと。猫の発情期(猫の恋)はおおむね2〜3月であり、子猫が生まれるのはその約60日後のおおむね晩春の頃になる。

    掲句は、人が掴みあげた猫の子を、手移しに掌(たなごころ)に受ける場面を詠む。生まれて間もない猫の子は、見知らぬ人の手に触れられる緊張から震えているのだ。猫の子のいのちの温もりや震えを、作者の掌はしっかり受け止める。掌は手のひらのことで、「たなごころ」と仮名書きしたことにより、猫の子のいのちを丸ごと受け止める作者の思いが伝わってくる。『俳句』2026年3月号。

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