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俳句の庭

  • 祝婚の襷を掛けし案山子あり

    9月 10th, 2024

    「案山子(かがし)」は竹や藁を材料に人の形を作り、蓑笠を着せ田畑の中に立てて鳥獣を威し、その害を防いだ。最近ではいろいろなキャラクタ-が案山子として登場し、稲刈りが済んだ田圃では案山子祭が行われて賑わう地域もある。

    掲句は秩父郡横瀬町にある寺坂棚田を訪れたときの作品。折から稲刈りの時期で、既に刈り取られた田圃と黄金色に稔った田圃がほぼ半々だった。330枚ほどもある棚田のところどころに案山子が立っていて、ふと案山子の襷に赤い文字で書かれた「祝婚」の2字が目に入った。この地で稲作に従事している青年たちの中に、この秋、皆から祝福されて結婚する人がいるのだろう。その青年の幸福や周りの人たちの祝意が、豊作の光景とともに暖かい湯気のように私の心を包んだ。平成28年作。

  • かき氷

    9月 10th, 2024

    氷を掻き削り雪状にしたものに、苺、レモンなどの果汁、茹小豆などをかけたもの。「氷水」「夏氷」などともいう。リキュール類、果物、アイスクリームなどを盛り合わせたものも出ている。かき氷を売っている店は氷旗を掲げていることが多い。昔から真夏の愉しみの一つで、「削氷」(けずりひ)として清少納言の『枕草子』に見える。

  • 猿の腰掛

    9月 10th, 2024

    サルノコシカケ目サルノコシカケ科・マンネンタケ科・キコブタケ科の菌類のうち、とくに木質で多年生となるキノコの総称。切株や立ち枯れの樹木、ときには生木の樹幹に発生し、半円形の卓状に広がる。乾いたものは非常に堅い。観賞用・細工品・薬用などに利用される。一部には食用として珍重されるものもあるが、一般的には茸狩りの対象にならないものが多い。猿が腰をかけるのにちょうどよいイスに見えることからこの名がある。「猿茸(ましらたけ)」ともいう。

  • 家路いつも夜学の窓の下とほる

    9月 9th, 2024

    「夜学」は学習意欲はありながら昼間働いている者が、夜、学ぶこと。定時制高校や公立の夜間中学の教室の窓明かりが夜遅くまで灯っているのは、秋の夜長を感じさせる光景だ。

    掲句は、夜そこを通りかかると、いつも灯っている学習塾や地元の鉄道の総合管理所の窓明かりに、夜長の趣を感じてできた作品。夜、一日の仕事が終わって安堵感に包まれながら家路をたどるとき、窓を明るく灯して夜遅くまで勉強や深夜勤務を続けているそれらの人たちに、人懐かしさを覚えた。令和元年作。

  • 秋の昼

    9月 9th, 2024

    秋の昼間のこと。日差しは和らぎ、空気は澄んで爽やか。澄明で明るい空気の中を、徐々に秋の気配が濃くなっていく。

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