虻(あぶ)はハエ目の昆虫で種類が多い。花に来るのが花虻、牛や馬について血を吸うのが牛虻で人を襲うこともある。春から秋にかけて見かけるが、単に「虻」といえば春の季語。秋も深まる頃、澄んだ大気の中に見かける虻には、時を惜しんでいるような趣がある。

虻(あぶ)はハエ目の昆虫で種類が多い。花に来るのが花虻、牛や馬について血を吸うのが牛虻で人を襲うこともある。春から秋にかけて見かけるが、単に「虻」といえば春の季語。秋も深まる頃、澄んだ大気の中に見かける虻には、時を惜しんでいるような趣がある。

「芋茎(ずいき)」は里芋の茎のこと。赤芋茎、青芋茎、白芋茎の3種類がある。生ものは茹でて酢味噌などで食べたり、乾燥したものは水で戻して煮つけたり、汁の実としたりする。
掲句は自宅のベランダで笊に並べて干す芋茎を詠んだもの。好天の日は日に干し、夜になっても月光の下で干した。干し上がるにつれて濃縮し、芋茎の嵩が減って軽くなっていく実感があった。令和4年作。
刈り取った稲を稲架(はさ)などに掛けて、脱穀できるまで天日で乾燥させること。近頃では火力で乾燥させることが多く、天日干しは少なくなった。稲を干す方法には、稲架を作って干す場合のほか、地方によっては稲塚・稲垣などによることもある。

葡萄はブドウ科の蔓性落葉低木。秋の果物の一つであるとともに、その果汁を発酵させてワインが醸造される。
掲句は、葡萄が夜の間自らを醸しているという。葡萄の果実には自然酵母が取りついており、さらに、果汁中にブドウ糖が含まれているため、自然にアルコール発酵が始まるという。この句はそのような科学的な知見によるものではなく、作者が葡萄の味や色合いの変化から感じ取ったことを、葡萄が自らを「醸(かも)して」いると表現したところが面白い。自然界で天然にできるとされる「猿酒(さるざけ)」(秋季)のことが、作者の脳裏にあったのかも知れない。『俳句』2024年10月号。