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俳句の庭

  • 落椿くちびるほどの湿りあり

    2月 4th, 2026

    「落椿」は椿の花が丸ごと地面に落ちている様を表す。椿は花びらが散るのではなく、花ごとぽとりと落ちるのが特徴。落ちた後も、しばらく地面に鮮やかな色を保つ。

    掲句は拾い上げた「落椿」の感触を詠んだ作品。椿は落ちると、日を経るにつれて水気が失われ、土色に変色し、ついには土に還ってしまうのだが、私が手に持ったとき、咲いていたときのままの色合いと潤いを保っていた。特に花びらの少し肉厚で滑らかな感触を表したいと思い、こんな句になった。平成18年作。『春霙』所収。

  • 冬館(ふゆやかた)

    2月 4th, 2026

    厳しい寒さをしのぐために、障子や襖を閉め切り、炬燵(こたつ)や暖炉などの暖房設備を備えるなど冬の佇まいとなった家のこと。 一般的な民家よりも、古い洋館や枯木立に囲まれた静かな邸宅などが思い浮かぶ。

  • 雄花を垂らす水辺の榛の木

    2月 4th, 2026

    立春が近いある日の朝、公園の池の辺の榛(はん)の木が花穂を垂らしていた。榛の木はカバノキ科の落葉灌木で、雌雄異株。早春の頃、穂状の雄花が長く垂れ下がって咲くので「榛の花」は春の季語。近年は、梅と同様立春前から咲き始める。

  • 蘆芽や水を見てゐて眼冷ゆ

    2月 3rd, 2026

    「蘆芽(あしかび)」は水辺に芽吹いて間もない蘆の若芽のこと。「葦の角(あしのつの)」ともいう。薄緑色で小さな角のような姿が春の訪れを感じさせる。 

    掲句は勤務先近くにあった日比谷公園での作品。昼休みにいつも行く公園内の水辺に佇んで、しばらくの時を過した。季節は着実に移ろい、足元の水辺にはいつしか蘆が可憐な芽を出していた。この句を読むと、当時胸の内に抱えていた悩みのあれこれが思い出される。「眼冷ゆ」は、その時水を眺めていて感じたことをそのまま表現した。平成21年作。『春霙』所収。

  • ジュリアン

    2月 3rd, 2026

    プリムラ・ジュリアンともいう。和名はセイヨウサクラソウ。12月〜4月に開花し、ピンク、赤、黄色などの花を咲かせる。歳時記には掲載されていない。なお、「桜草」(春季)は日本原産のサクラソウ科に属する多年草であるが、プリムラ・ジュリアンはヨーロッパ、コーカサス地方の原生種から日本で作出された園芸品種。

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