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俳句の庭

  • 新酒

    1月 18th, 2025

    その年の新米で醸造した酒。昔は、新米が穫れるとすぐに造ったので、秋季(晩秋)に分類されているが、寒造りが主流になった現在は、酒蔵で最初に搾る日本酒は早くても12月であり、1月から3月上旬までが最盛期。生活実感と季語の扱いがズレている一例だが、新米の収穫を祝う思いが感じられる季語でもある。十分に発酵したものを袋に入れて搾ったうす濁りのものが「新走り」、これを樽に入れて得た上澄みが「新酒」。これらを合わせて「今年酒」ともいう。

  • 障子

    1月 17th, 2025

    主として和室の間仕切りとして用いる障屏具。新年を前に張り替えることが多いこと、保温効果があることなどから冬の季語とされる。襖障子、唐紙障子、明かり障子などその種類は多いが、主として明かり障子のことをいう。杉などで木枠を作り桟を格子にはめて和紙を貼った日本建築独特のもの。室内の光を和らげ湿度を調節する効果もある。

  • 水臘の実(いぼたのみ)

    1月 17th, 2025

    イボタノキは山地に生えるモクセイ科の落葉低木。樹皮にイボタ貝殻虫がついて蝋を分泌し、かつてはこの蝋を家具の艶出しに利用したことからこの名がある。初夏の頃、枝先に白い小花が集まって咲き、秋につける実は約7ミリの楕円形で黒紫色に熟す。なお、歳時記には「水臘の花」は夏季に載っているが、「水臘の実」は掲載されていない。

  • 南座のまねきあふぎてゐれば雪 名村早智子

    1月 17th, 2025

    「雪」は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表するが、日本海沿岸の豪雪地帯では雪は美しいものであるどころか、白魔と恐れられる。雪には華やぎ、圧迫感、侘しさなど明暗の思いが入り混じる。

    掲句は南座の「まねき」を仰いだとき、顔に雪が降りかかってきたとの句意。南座は京都の劇場。歌舞伎以外にも演劇やコンサートの公演が行われているが、この句の場合は毎年11月末日から行われる吉例顔見世興行の頃の南座を思い描きたい。役者の名前を記した「まねき」と呼ばれる看板が劇場の入り口上にずらりと並べられているのだ。即興の味わいのある句だが、にわかに降り出した雪を仰ぐ作者の歳晩の思いも重ねられている。『俳壇』2025年2月号。

  • からす瓜日の匂ふまま渡さるる 若山真紗子

    1月 16th, 2025

    「烏瓜(からすうり}はウリ科の多年草で、山野に自生する。夏に白いレースのような 花を咲かせた後、秋に卵形の実をつける。晩秋の頃赤や黄に色づく。

    掲句は、人の手から渡された「からす瓜」に日の匂いがしたという。内容は至って単明だが、「からす瓜」の日の匂いから、好天の一日の郊外や山野での行楽の様が目に浮かんでくる。秋深む頃は、「からす瓜」に限らずアケビや茸、山葡萄など、目や味覚を楽しませるものが多い。『俳壇』2025年2月号。

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