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俳句の庭

  • 父の指触れし白桃憎みけり 行方克巳

    11月 10th, 2024

    桃の中でも、滴るばかりの果汁と柔らかく甘美な果肉を特徴とする「白桃」が店先に出回るのは初秋の頃で、桃の中では晩生種。

    掲句は「白桃」を通して父子の情を詠んだ作品。作者若かりし日の回想の句として読みたい。父を憎むがゆえに、父が指先で触れた「白桃」まで憎くなったという。豊饒さと清潔さを合わせ持つような「白桃」が美しければ美しいほど、作者の父に対して抱いていた一途な憎しみが浮かび上がってくる。「けり」の詠嘆には、来し方の作者自身に対する万感の思いがあろう。『俳句界』2024年11月号。

  • 野路菊(のじぎく)

    11月 10th, 2024

    日本在来のキク科の多年草。暖地の山野に自生するほか、観賞用に栽培されている。晩秋の頃花を咲かせる。中心の管状花は黄色で舌状花は白色。油菊、野紺菊などとともに野菊の一種で、野菊の傍題として掲載している歳時記もある。

  • 蔦

    11月 10th, 2024

    日本在来のブドウ科の落葉蔓性木本。全国の山野に自生するほか、観賞用に外壁や石垣などに這わせることがある。茎は吸盤のある巻ひげで、他のものに絡んで這い上がる。俳句では単に「蔦」というだけで、秋になって燃えるような紅葉を呈した蔦を指す。「蔦紅葉」ともいう。

  • 眉間より立ちて遠嶺へしぐれ虹 加畑霜子

    11月 9th, 2024

    「しぐれ虹」は「冬の虹」の傍題。夏の虹のように鮮明ではないが、ひと時雨(しぐれ)あったあとに淡い日差しにかかる虹は儚く美しい。

    掲句は時雨がさっと降って過ぎた後にかかる「しぐれ虹」を詠む。虹の片脚が作者の眉間(みけん)より立っているというのは、虚実皮膜の一瞬の感受だが、現れては消える初冬の淡い虹の美しさを引き出している。しばらく佇んでいると、作者と遠嶺(とおね)の間にかかっている虹も、たちまち薄れてゆくことだろう。『俳句四季』2024年11月号。

  • 落葉松黄葉(からまつもみじ)

    11月 9th, 2024

    「落葉松(からまつ)」は日本の固有種で、マツ科カラマツ属の落葉針葉樹。「唐松」とも表記する。日本産針葉樹の中では、唯一の落葉樹である。本州の中央部が分布の中心で、多くは火山性土壌の山地に自生する。なお、現在北海道で見られる大面積のカラマツ林は、すべて人為的に植えられたもの。落葉する前に葉を黄金色に染める。

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