「鮞」は胎(はら)の子の意で、本来は魚卵一般を指すが、季語としては特に鮭の卵巣、又はそれを塩漬けにしたものをいう。薄い膜で覆われた卵をそのまま塩漬けにしたもの が「筋子」。卵を一粒づつにほぐしたものが「いくら」である。

「鮞」は胎(はら)の子の意で、本来は魚卵一般を指すが、季語としては特に鮭の卵巣、又はそれを塩漬けにしたものをいう。薄い膜で覆われた卵をそのまま塩漬けにしたもの が「筋子」。卵を一粒づつにほぐしたものが「いくら」である。

一月は一年のはじめの月。寒さがもっとも厳しい時季である。年が改まって各地で行われる華やかな行事も多い。
掲句は一月の頭上を飛ぶ長元坊に、新年を迎えた作者の決意を覗かせた作。長元坊はハヤブサ目ハヤブサ科の猛禽。繁殖期である夏に観察される個体もあるが、主に冬鳥として日本各地に渡来する。年改まって間もないきりりと澄んだ青空を悠然と飛翔する長元坊。それを仰ぐ作者の晴れやかな詩心と俳句に向ける志が感じ取れる。〈一月の川一月の谷の中 龍太〉の作が作者の胸中にはあっただろう。『俳句』2025年2月号。
外出の際に手や指を保温するために用いるもの。毛糸や革、その他伸縮性の強い布で作られる。五本指のもののほか、子供用の親指のみが分かれたミトン、作業用の指先のないものなどもある。「手套(しゅとう)」ともいう。

冬籠(ふゆごもり)は、雪国などで冬の間戸外へ出ず家に籠って暮らすことをいう。雪国でなくても、寒風の吹き荒ぶ冬は、外出を必要最小限にとどめ、なるべく家の中で過ごす。定職に就いている人は、リモートでもない限り、そうも言っていられないのだが・・・。
掲句は、俳人としての自らの営みを酒などの醸造に譬えての作品。「醸(かも)す」というのは麹 (こうじ) を発酵させて、酒、醤油などをつくること。句作や詩作も、言葉を醸す営みに他ならない。ありふれた日常の言葉にいかにして魂を宿すか、というのは俳人であれば日夜心掛けていることだろう。作者の胸中にある、この詩型に賭ける志が窺える作品だ。『俳句』2025年2月号。