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俳句の庭

  • 雲ほぐれやまず葡萄の花芽また

    3月 20th, 2025

    葡萄はブドウ科ブドウ属の蔓性植物。5、6月頃新しい蔓の葉と対生して円錐花序を出し、淡黄色の小さな花を多数つける。花芽が次第にふくらんでくるのは、晩春初夏の頃。

    掲句は「白露」主宰だった山梨一宮町(現笛吹市)の廣瀬直人先生宅を訪れ、庭先の葡萄畑を散策したときの記憶を手繰り寄せての作品。晩春から初夏にかけての生気あふれる雲と細かい粒状の葡萄の花芽は、命あるものがお互いに呼び合っているような気配があった。芽かきや摘芯などの作業を選句の合い間にしているという話も、その時に伺った記憶がある。先生が亡くなった今となっては懐かしい思い出である。平成29年作。

  • うるい

    3月 20th, 2025

    蕨(わらび)、薇(ぜんまい)、独活(うど)、鳥足(とりあし)、こごみなどとともに、春に出回る山菜の一つ。正式名は「大葉擬宝珠(おおばぎぼうし)」。キジカクシ目キジカクシ科ギボウシ属の多年草で、山野に自生する。春先に萌え出た若芽や若葉の部分を和え物や汁物にして食べる。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 雪の果

    3月 20th, 2025

    降りじまいの雪。その年の春に降る最後の雪をいう。「名残の雪」、「雪の別れ」、「忘れ雪」、「雪の終」などともいう。関東近辺では3月半ばから末頃になるが、時には桜の咲く頃降ることもある。陰暦2月15日の涅槃会の頃なので、「涅槃雪(ねはんゆき)」ともいう。

  • 時といふ満ちくるものを紅椿

    3月 19th, 2025

    「椿」は常緑の肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。花びらが散るのではなく、花ひとつが丸ごと落ちるので落椿といわれる。

    掲句は眼前の咲き盛る椿を詠んだもの。百とも千ともつかない紅椿が辺りの静寂を破らぬまま咲き盛っていた。時間が来れば、自ずからぽたりぽたりと地に落ちていく椿。その椿の咲いている時間が、器に満ちる水のように、「満ちてくるもの」と感じられた。椿の命の充実感が一刻一刻を満たしていた。平成19年作。『春霙』所収。

  • あらせいとう

    3月 19th, 2025

    南ヨーロッパ原産のアブラナ科の一年草。漢字表記では「紫羅欄花」。江戸時代初期に日本にもたらされた。野生化したものが山野に自生するほか、観賞用に植えられ、切花にもなる。4月頃、茎の先端に芳香のある総状花序をつける。花色は紅、ピンク、紫、白など。一般的には「ストック」の名で知られている。

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