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俳句の庭

  • 一鳥の水蹴つて立つ恵方かな 岩岡中正

    2月 15th, 2025

    歳徳神がいる方向を陰陽道で恵方といい、恵方詣はその年の恵方に当たる社寺に初詣すること。歳徳神の方角はその年の干支により陰陽道で決められる。恵方詣をすると一年分の福が授かるという。

    初詣に行く道すがらの情景だろう。鴨だろうか川鵜だろうか、一羽の鳥が水を蹴って飛び立った。「水蹴つて立つ」は、深々と湛えた水の量感やその揺らめきを感じさせる措辞。鳥が飛び立って波立った水の上にも青空にも、新春のめでたく厳かな気配が満ちている。『俳壇』2025年3月号。

  • 枝垂梅(しだれうめ)

    2月 15th, 2025

    梅は中国から伝来したバラ科サクラ属の落葉樹。春先に他の花にさきがけて咲くが、枝が枝垂れている「枝垂梅」はその一品種。花を観賞するため庭木などとして地植えにするほか、鉢植えにすることもある。歳時記では梅の傍題になっている。

  • つぶ貝

    2月 15th, 2025

    食用の巻き貝。おおむねエゾバイ科のエゾボラ属及びエゾバイ属に属する巻貝の総称だが、厳密な定義はない。単に螺(つぶ)ともいう。北海道や三陸沿岸が主産地。旬は春から夏。寿司ネタ、焼き物、煮物などのほか、正月料理にも用いられる。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 新季語探訪(1)

    2月 14th, 2025

    昔から「秋の日は釣瓶落し」と言われてきた。秋の落日を井戸に落ちていく釣瓶に喩えたものだ。この喩えから、「釣瓶落し」だけでも秋の季題として充分通じるだろうと考え、季題として提唱したのは山本健吉である。

    釣瓶落しといへど光芒しづかなり   水原秋櫻子

    この句を得て、「釣瓶落し」は秋の季語として定着したといわれる。したがって、比較的新しい季語だ。

    掲句は、一読、秋の落日の細く澄んだ光が見えてくるとともに、忽ち暮れてゆく気忙しさの中で、落日に眼を注いでいる束の間の静かさが感じられる佳句だ。特に「といへど」との緩やかな屈折が、落日の光芒の静謐さを感じさせて効果的だ。その静謐さは、秋の落日のみならず読む者の心をも包み込む。

    手元の歳時記には、掲句を含め、〈淡路文楽一幕釣瓶落しかな 羽公〉など19句が掲載されているが、どの句も秋櫻子の頭掲句には及ばないようだ。

  • 鮟鱇(あんこう)

    2月 14th, 2025

    アンコウ科の深海魚。日本周辺の大陸棚に生息する。グロテスクな大きな頭、大きな口をもつ。背びれが変化した房状の鰭をひらひらさせて小魚を誘い呑み込む。とも・ぬの・肝・水袋・えら・柳肉・皮を鮟鱇の七つ道具といい、それぞれ美味。特に肝は海のフォアグラと呼ばれ珍重される。鍋物にすることが多い。かつては「東の鮟鱇西の河豚(ふぐ)」と言われたという。

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