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俳句の庭

  • ここまでが看取りここからわが夜長 蟇目良雨

    4月 27th, 2025

    「夜長(よなが)」は秋の夜の長いことをいう。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり、夜の長さが身にしみる季節になる。

    掲句は身近な人を介護している作者自身を詠んだ作品。昼間から続いた看取りも、看取る相手が眠りにつけば一段落。ここからは自分の自由な時間になる。ほっと一息つく安堵感と解放感。それが介護を担う人の偽らざる実感だろうと思う。ほっと漏らした独り言のような思いの正直な表出が、この句を味わい深いものにしている。『俳句界』2025年5月号。

  • 桜蘂ふる

    4月 27th, 2025

    桜の花が散った後、萼(がく)についていた蘂(しべ)が散って落ちること。桜の木の下の地面に赤い蘂が音もなく散って敷き詰められている様には、花の頃とは別のひっそりとした趣がある。

  • 蒲公英の絮

    4月 27th, 2025

    蒲公英(たんぽぽ)は花が咲き終わった後、晩春の頃白い冠毛を持つ実を結ぶ。その球形の絮(わた)は風に飛び散り実は四方に散らばる。蒲公英はキク科タンポポ属の多年草の総称で、さまざまな種が全国各地の道端や野原に自生する。「蒲公英の絮」は蒲公英の傍題。

  • 晩鳥に棲みつかれたるわが頭 宮坂静生

    4月 26th, 2025

    「晩鳥(ばんどり)」は「むささび」とも言い、北海道以外の森に生息しているリス科の哺乳類。肢間に皮膜があり、木から木へ滑空する。昼は樹木の空洞内に潜み、夜間、木の芽、果実などを食べる。

    掲句は「晩鳥」に棲みつかれた自らの頭を自虐的に詠む。「晩鳥」は夜行性のため、どこか妖しく神秘的な印象のある小動物。その小動物が自分の頭に棲みついたとの想念は異色だ。それも、自ら好んで棲まわせているのではない。否応もなく棲みつかれてしまったのだ。「晩鳥」が何を象徴しているのかは、読者それぞれの想像に任されているが、いずれにしても歓迎すべきものではないようだ。『俳句』2025年5月号。

  • 十二単(じゅうにひとえ)

    4月 26th, 2025

    日本特産種のシソ科の多年草。うす紫の花が重なって咲く姿を王朝の女官の装束に見立ててこの名がある。本州以南のやや乾燥した野原や農道などに生える。晩春に咲く淡紫色の唇形の花は茎の先に何段も輪生し穂状をなす。

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