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俳句の庭

  • 春暖炉

    5月 9th, 2025

    春になっても火のある暖炉。寒冷地や標高の高い山間部、高原のリゾート地などでは、春になっても、朝晩の冷え込むときなどに暖炉を焚く。使われなくなってもまだ片付けられずにある暖炉も「春暖炉」という。単に「暖炉」といえば冬の季語。

  • 新季語探訪(14)

    5月 8th, 2025

    「氷河」は長い年月にわたって氷や雪が堆積、圧縮されてできる氷の巨大な層。重力によって徐々に移動している。その涼しげなイメージから夏の季語になっている。

    日本には「氷河」はないことから、「氷河」の句は海外詠か想像により詠んだものになる。手元の歳時記には目ぼしい作品はない。            大氷河神の鋸もて切らん 山口波津女                    など、どこか観念的で、想像のみに頼った弱さが露呈している作品が多い。

    数年前、ニュージーランド最高峰のマウントクック(マオリ語ではアオラキ)の山麓で斜面のフッカー氷河を仰ぎ見たことがある。キャンプ場から木道や吊橋が続き、がれ場を辿っていくと、目の前にマウントクック斜面のフッカー氷河が聳え立った。その間、谷川を流れ下る白濁した雪解水の轟きが耳を離れなかった。原初の地球を思わせるような荒々しい自然に接した記憶が今も生々しく残っている。

    その時の作品は『郭公』に特別作品として掲載できたが、鮮烈な自然相に接した成果としては質・量ともに十分なものではない。意欲が空回りしてしまう海外詠特有の難しさもあるようだ。

  • 柳絮(りゅうじょ)

    5月 8th, 2025

    春、柳が花(雌花)を咲かせたあとの綿毛のような実のこと。乾燥すると裂けて、綿毛でおおわれた多くの種子を風により飛散させる。なお、雄花の多い枝垂柳には「柳絮」はあまり見られない。

  • 乗込鮒(のっこみぶな)

    5月 8th, 2025

    春になって水温が上がり、産卵のため小川や水田に群れをなして勢いよく乗り込んでくる鮒のこと。この季節が最もよく釣れる時期である。もともとは釣り師の言葉という。なお、「乗込み」は鯉や鯛などでも見られるが、「乗込鯉」は季語としては確立していない。「乗込鯛」は春の季語。

  • 山の端の雲賑やかに一の午

    5月 7th, 2025

    「一の午(いちのうま)」は「初午(はつうま)」ともいい、2月の最初の午(うま)の日に行われる稲荷神社の祭礼(午祭)。京都の伏見稲荷、大阪の玉造、愛知県の豊川稲荷、神戸の摩耶参などが有名だが、稲荷はもともと農事の神で、初午はその年の五穀豊穣を願うものだった。農家はこの日、地元の稲荷社にお神酒や油揚げ、初午団子を供えたりした。

    掲句は、2月の上旬頃、地元の商業施設の屋上テラスから、秩父連山の方を眺めていての作品。屋上を吹く風はまだ冷たかったが、山稜の空は点々と雲をつらねて春の到来を感じさせ、その雲の賑やかさは、かつて見かけた稲荷神社の祭礼の賑わいを連想させた。晴天が続き空っ風が吹く関東平野に雲が増えてくるのは春の兆しの一つ。令和7年作。

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