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俳句の庭

  • 八月を煮詰めてゆけば父の声 中村克子

    7月 22nd, 2025

    「八月」は暦の上では夏から秋へと季節がかわる月。立秋を過ぎてもしばらく暑い日が続くが、そうしたなかにも暑さは盛りを越え、徐々に秋の気配が濃くなってゆく。原爆の日や終戦の日、盂蘭盆が巡って来て鎮魂の思いを新たにする月でもある。

    掲句は、亡き父の声の記憶を通して、「八月」という季節を見つめた作品。「八月」に対する思いを巡らしていくと、その奥に父の声がまざまざとよみがえるとの句意だろう。抽象的、内省的な句柄だが、終戦の日や盆の諸行事が巡ってくる「八月」に寄せる作者の思いに共感する。モノを描写することだけが俳句でないことを、改めて認識させる作品だ。『俳句界』2025年7月号。

  • チコリーの花

    7月 22nd, 2025

    ヨーロッパ・地中海沿岸原産のキク科の多年草。和名「菊苦菜(きくにがな)」。山野に自生するほか、サラダ菜や飼料作物として栽培され、また、根は挽くなどして、コーヒーの代用品や食品添加物として利用される。夏、青紫色や白色の頭状花を咲かせる。一日花。一部の歳時記には春の季語として掲載されている。

  • 柳蘭

    7月 22nd, 2025

    アカバナ科の多年草。ヨーロッパ・アジア・北アメリカなどの北半球の温帯地域や寒地に広く分布し、日本では本州中部以北の山野の日当たりの良い草原に群生する。 葉が柳の形に似ているところからこの名がある。直立した茎に葉が互生し、夏、茎の上部に花穂が出て濃いピンク色の四弁花が多数つく。花は下から上へと咲き上がる。秋に細長い果実が出来、熟すと裂けて、白く長い綿毛のついた種子を風に飛ばす。

  • 香水の瓶離陸せむ月光裡 津川絵理子

    7月 21st, 2025

    「香水」は汗をかき、体臭が気になる夏によく使われるので夏の季語。女性のみならず、男性も用いる。

    掲句は香水の瓶が飛行機のように離陸するという。月光の中にあっての作者の自由な想像力の飛翔を思わせる。夏の盛りというよりも、秋が近い頃の月光の澄みが感じられる作品だ。そこには、昼の暑さから解放された安堵の思いもあろうか。『文藝春秋』2025年8月号。

  • 雨燕

    7月 21st, 2025

    アマツバメ科の鳥類で、夏鳥として渡来する。燕より長い翼をもち、高速で飛翔する。山地や海岸付近の断崖にコロニーを形成して営巣し、飛びながら昆虫等の餌や巣材を集める。雨が降ると群がり飛ぶ習性があるためこの名がある。

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