ゴールデンウィークに始まる新緑の月。この月から夏に入るが、まだ、暑さや湿気が少ない。みずみずしい生命力にあふれた、一年の中でも最も麗しい月である。カトリックでこの月を聖母月とよぶことから「聖五月」ともいう。古俳諧では、「五月」をサツキと読んで、陰暦五月(陽暦では六月)の意に用いた。

ゴールデンウィークに始まる新緑の月。この月から夏に入るが、まだ、暑さや湿気が少ない。みずみずしい生命力にあふれた、一年の中でも最も麗しい月である。カトリックでこの月を聖母月とよぶことから「聖五月」ともいう。古俳諧では、「五月」をサツキと読んで、陰暦五月(陽暦では六月)の意に用いた。

「春愁」は辺りに生気があふれる春の最中に覚えるものうい哀愁のこと。ふっと物思いにふけったりする軽いぼんやりとした愁いである。
掲句は、自らの「春愁」が内ポケットに入るほどだという。「春愁」という目に見えないものを見えるように表現した句といえるだろう。古風に「隠し(かくし)」などと言わずに、今風の言葉をそのまま取り入れたところに、作者の俊敏な才気が窺える。春の愁いは、作者の胸の辺りに音もなく忍び込んでくるのだろう。『俳句』2025年5月号。
暑さをしのぐによい木綿、麻、絹、化繊などの生地、淡い色合いで作る涼し気なシャツ。開襟シャツ、Tシャツのように胸元や袖口から風を取り入れる形のものが多い。

花冷ゆる戦艦大和忌日かな 和田知子
この句について、飯田龍太は「忌日としては類例を見ない作品であるが、「花冷ゆる」に亡魂追悼のおもいと、消えがたい作者の悲愁が的確に示されている。この忌、歳時記に登載するしないは別として、例句はこれひとつで十分だろう。」と記す。
戦艦大和が沈んだのは、80年前の昭和20年4月7日。沖縄への海上特攻の途中、南西諸島沖で米軍に撃沈された。太平洋戦争での日本敗戦を決定づける出来事だった。
手元の歳時記には「戦艦大和の忌」は掲載されていないが、掲句以外にも、 海に散るさくら戦艦大和の忌 髙田緑風 など、「花」「桜」と取り合わせての作例が散見される。
「大和」よりヨモツヒラサカスミレサク 川崎展宏 も忘れられない一句。この句には〈戦艦大和(忌日・四月七日)〉と詞書があり、「戦艦大和の忌」の句と言っていいだろう。
「戦艦大和の忌」は歳時記に掲載されていないものの、これまで詠み継がれてきた句の蓄積がある。桜の散る頃改めて思い起こし、時には作句に挑戦してみたいと思う。